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【映画レビュー】師匠との出会いが羨ましい。映画『線は、僕を描く』と水墨画の静かな力

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

ボクはもともとカラフルな絵が好きで、水墨画にはあまり関心がありませんでした。

そんなボクの意識を変えてくれたのが、伊藤若冲の水墨画でした。

以前、美術館で偶然若冲の作品を観る機会があり、その繊細で力強い表現に驚かされたのです。

それ以来、水墨画に対する見方が少し変わりました。

そんな背景もあって、水墨画を題材にした映画『線は、僕を描く』には興味津々でした。

線は、僕を描く

果たして、映像で描かれる水墨画の世界は、ボクにとってどのような体験になるのか。

ワクワクしながら鑑賞しました。

ストーリーと人物描写の弱さに戸惑い

映画を観終わった直後の率直な感想は、「悪くはないけど、何かが足りない」というものでした。

特に気になったのは人物描写の浅さです。

主人公をはじめ、登場人物それぞれにドラマがあるはずなのに、その背景や内面があまり掘り下げられていない印象を受けました。

もしかすると、ボクの感受性が鈍くなっているだけなのかもしれません。

しかし、感動させようとする場面でも、涙もろいボクがまったく泣けなかったのは事実です。

感情移入しにくいキャラクター構成が、この映画の弱点のように感じました。

原作小説の魅力に興味津々

映画を観たあと、「本当はもっと面白い作品なのでは?」という疑問が頭をよぎり、Wikipediaで原作小説のあらすじを調べてみました。

すると、映画よりも遥かにドラマチックで奥行きのある物語が描かれているようで、俄然小説が読みたくなってしまいました。

映画先行で観てしまったことを少し後悔しつつ、小説版を読んだあとに映画を観ていたら、もっとがっかりしていたかもしれません。

それほどに、映画では描ききれていない魅力がまだまだありそうです。

水墨画そのものの美しさは圧巻

ただし、水墨画の映像美に関しては文句なしでした。

水墨画のことはよく分かりませんが、映画に登場する作品はどれも本当に美しく、ただ眺めているだけで癒されるほどでした。

この作品で水墨画の監修を務めたのは小林東雲さんとのこと。

また、原作者の砥上裕將さんも水墨画家ということで、彼らの作品を実際に観に行ってみたいという気持ちが強くなりました。

参考:https://senboku.kodansha.co.jp

師弟関係に憧れる自分

映画では、主人公が大学生のときに水墨画の師匠と出会い、成長していく様子が描かれています。

正直なところ、ボクはこの「師匠との出会い」がとても羨ましかったです。

自分の人生を振り返ると、尊敬できる師匠のような存在に出会ったことがありません。

気がつけば、弟子がいてもおかしくない年齢になってしまいましたが、人に教えられるほどの知識も実績もないまま、ここまで来てしまいました。

師弟関係というものには、きっとボクは縁がなかったのだと思います。

まとめ:美しいけれど、響ききらない映画

『線は、僕を描く』は、水墨画の魅力を伝えてくれる作品であり、絵画に興味のある人には一見の価値があります。

しかし、映画としての物語の深みや人物描写の厚みに欠ける部分があり、感動という点では物足りなさを感じました。

もし本作に興味を持った方は、映画よりも先に原作小説を手に取ることをおすすめします。

ボク自身も、原作を読んでからもう一度映画を観直してみようと思います。

それではまた

ありがとう!

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