元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回は佐山サトル編に続きまして
15人目の「関節技の鬼」藤原喜明編の感想です。
最強レスラー数珠つなぎ
実は14人目はなぜかキックボクサーの藤原敏男さんのインタビューだったのですが、プロレスラーじゃないということで興味が湧きませんでしたので、その感想については割愛します。
正直な感想を言うと、ちょっと物足りなさを感じました。
今回は、その理由と、読んでいて印象に残ったポイントを整理してみたいと思います。
すでに出回っている話ばかりで新鮮味がない
まず最初に気になったのは、内容が「だいたい出回っている話」にとどまっていたことです。
ボクのような古くからのプロレスファンにとっては、今回紹介されているエピソードの多くが既知のもので、「ああ、それ知ってる」という感想が先に来てしまいました。
おそらく、藤原選手の過去のインタビュー記事やドキュメンタリーを見ている方なら、同じ印象を持ったんじゃないかと思います。
逆に、藤原選手のことをまったく知らない新規のプロレスファンがこの本を手に取るか?と考えると、それもあまり期待できないような気がします。
つまり、ターゲットが曖昧で、どっちつかずな印象なんです。
なぜ著者の視点が薄かったのか?
本シリーズの魅力のひとつは、著者・尾崎ムギ子さんの視点が入り込むことだと思っています。
でも、今回の藤原編では、著者自身のカラーがあまり出ていないように感じました。
もっと踏み込んだ質問や、本人との関係性を活かした切り口で話を引き出してほしかった。
そうすれば、古参ファンでも「読んでよかった!」と思えるような、新しい藤原喜明像が浮かび上がってきたはずです。
ゴッチさんの名言にはグッときた
そんな中でも、やはり感動したのがゴッチさんのエピソードです。
藤原さんのお弟子さんである臼田さんにかけたという、この一言。
「練習中はお前の先生かもしれないけど、練習が終わったら友達じゃないか」
ボクはこれを読んだ瞬間、胸が熱くなりました。
こんなふうに言ってくれる師匠、自分にもいてほしかったなあと思いましたね。
こうした人間関係の温かさこそ、プロレスの魅力のひとつだと再認識しました。
ここからもっと、ゴッチさんと藤原さんとの関係や裏話が深掘りされていたら最高だったのに。
そう思うと、やはり「惜しい」と感じてしまいます。
プロレス観へのスタンスはさすが藤原選手
インタビューの中で、著者は藤原選手に「今のプロレス界をどう見ていますか?」という質問を投げかけます。
この問いには、少し悪意というか、古き良きプロレスを懐かしむあまり、今のスタイルを否定してほしいという意図すら感じました。
でも、そこはさすがの藤原喜明。
「俺の口からは言えないよ。まあ、俺らが教わったのとは、ちょっと違うかな。でもプロなんだから、お客が入れば正義なんだよ」
この言葉には、現役を離れてなおプロとしての誇りを持ち、かつ今を生きるレスラーたちを尊重する姿勢が表れています。
「お客が入れば正義」というのは、まさに名言。
ボクはこの一言だけでも、読んでよかったと思いました。
最後に思ったこと:藤原さんの自伝が読みたい!
全体を通して思ったのは、「この内容なら、いっそ藤原さん本人の自伝を読みたい」ということです。
本人の言葉で、本人の人生をもっと深く掘り下げてほしい。
そうすれば、何倍も読みごたえのある本になると思います。
もちろん、このシリーズが悪いわけではありません。
尾崎ムギ子さんのアプローチも素晴らしいです。
ただ今回は、相手が藤原喜明というレジェンド中のレジェンドだっただけに、読者の期待値が高かったのだと思います。
まとめ
『最強レスラー数珠つなぎ』藤原喜明編は、プロレスファンなら誰もが知るエピソードを中心に構成された一冊でした。
ゴッチさんとのエピソードや、「お客が入れば正義」という考え方には感動しましたが、全体としてはもう少し著者の個性や切り口がほしかったのが正直なところです。
次回作では、もっと新しい視点でレスラーの魅力を引き出してくれることを期待しています。
プロレスって、やっぱり奥が深いですね。
それではまた。
ありがとう!
