元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
前回の藤原喜明編に続きまして、
16人目の前田日明編の感想です。
最強レスラー数珠つなぎ
ボクはこれまでの連載も楽しみに読んできましたが、今回はちょっと複雑な気持ちになりました。
というのも、過去に登場した佐山サトルさん、藤原喜明さんの流れから、今回もまた”知ってる話”が多かったからです。
せっかくの前田さん回なのに、なぜ違う切り口を試さなかったのか……その点がどうしても気になってしまいました。
概要
本書では、前田さんが若手時代の修行地・アメリカのテネシー州での体験や、関節技の背景、そしてプロレス観について語られています。
また、別の著作『前田日明が語るUWF全史』のプロモーション的要素も感じられました。
知っている話ばかりでガッカリ?
佐山さん、藤原さんと続いて、次に誰が来るかといえば前田さんしかいない——その流れ自体は納得です。
ただ、読み進めていくうちに「またこの話か……」という既視感が否めませんでした。
プロレスファンなら知っていて当然のエピソードが中心で、新たな一面を引き出してほしかったというのが本音です。
とはいえ、同時に紹介されていた『前田日明が語るUWF全史』には興味をそそられました。
これまでの記憶頼りの証言とは違い、資料をもとに語られるということで、今までと違う視点が得られるのではないかと期待しています。
関節技にまつわる話
前田さんの語る関節技の背景は、猪木さんや山本小鉄さんがアメリカ修行中に体験した差別や、ガチンコ勝負の経験に由来しています。
日本人レスラーがヒールとして扱われ、アメリカ人レスラーにルール無用の挑戦を受ける——そんな中で必要だったのが、関節技だったわけです。
この話は、佐山サトル編で語られた「ストロングスタイル」の文脈ともつながっています。
ただし、佐山さんが今のプロレスに対して明確に批判的だったのに対して、前田さんはあくまで”知っている”という立場に留まり、批評的なスタンスは控えめです。
ボクの想像ですが、前田さんは今の新日本プロレスの試合をきちんと観ているのではないでしょうか。
一方、佐山さんは観ていないのかもしれません。
その違いがコメントにも表れているように思います。
なぜ「今のプロレス」に踏み込めなかったのか?
藤原喜明さんの回では、今のプロレスラーについての質問もしていたのに、前田さんにはそれがありませんでした。
これは非常にもったいないと思います。
なぜあえて踏み込まなかったのか、編集方針なのか遠慮なのか……読者としてはそこに一歩踏み込んでほしかったところです。
同じような話でも、佐山さんは「今のレスラーにガチンコで勝負できる者はいない」といった強い主張をしていました。
対して前田さんは、そこまで突き放す感じがなく、むしろ現代のプロレスにも理解を示しているように感じました。
その姿勢に、ボクはとても好感を持ちました。
著者の尾崎ムギ子さんは、佐山さん寄りの視点かもしれませんが、ボクは前田さんのような、今のプロレスにエールを送るような立場が好きです。
興味を持たれた方は、ぜひ本書や関連書籍をチェックしてみてください。
まとめ
今回の『最強レスラー数珠つなぎ』前田日明編は、プロレスファンなら既知の内容も多い一方で、前田さんのプロレス観に触れられる貴重な機会でもありました。
特に「プロレスは究極のアスリートスタントマンがやるメロドラマ」という表現には、ボクも思わずうなってしまいました。
知っている話でも、語る人が違えば新たな気づきがある。
それがプロレスの奥深さなのかもしれません。
それではまた。
ありがとう!
