元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
先日書きましたが、NHK『クローズアップ現代+』を観てすぐ
『新日本プロレスV字回復の秘密』を買いました。
読み終えて、やっぱりNHKにはこの本に迫るくらいの取材をしてほしかったな、と、番組の内容が実に雑である、と思える良い本です。
橋本vs小川戦から始まる低迷
V字回復するためには一度ど〜んと落ち込まないといけないわけですが、その始まりが1999年1月4日の東京ドームで行われた橋本真也vs小川直也であろうと書かれています。
ちょうど僕がプロレスから離れる原因の1つになったのもこの試合でしたから、やっぱりあの時多くの人がガッカリしたんですね。
その時の流行りであった総合格闘技に、新日本プロレスもしっかり乗っかっていこうぜ!と言い出したのが新日本プロレスを作ったアントニオ猪木さん。
猪木さんは、当時の新日本プロレスの強さの象徴でもあった橋本真也さんに、総合の選手として目覚めて欲しいなんて思いもあったのか、きっちり仕上がった小川直也さんをけしかけたみたいです。
※そのあたりの話はこちらがキレイにまとまっているように思いますのでどうぞ。
橋本vs小川戦がプロレスのリングで行われた総合格闘技の良い試合となれば、新日本プロレスが一気に総合も込み込みの団体になれるんじゃないかとか思ったのかも知れませんが、その時の橋本さんは猪木さんの思惑に乗っかれる状態ではなかったようです。
アマチュアで格闘技をしっかりやってた当時の社長である坂口征二さんと現場監督である長州力さんが、ウチはプロレスをやる会社なんだから、しっかりプロレスをやろうとしていたのに、それほどしっかりアマチュアで格闘技してなかった猪木さんが総合やろうぜ〜と突っ走っていって、グチャグチャになったようです。
坂口さんや長州さんは総合とプロレスは全く別とハッキリわかっていたんですね。
グチャグチャになっている頃、海の向こうでは、かつて新日本プロレスと提携している頃に猪木さんの作り出すアングルを勉強していたと言われる(とどこか読んだような・・・曖昧ですみません)ビンス・マクマホンJr.さんが、しっかりプロレスをやってWWEを大いに盛り上げていたというのも何とも皮肉です。
いずれにしても、猪木さんが新日本プロレスを作ってくれたおかげで、僕はプロレスファンになり、猪木さんのせいでプロレスが嫌いになって、猪木さんが新日本プロレスから離れたおかげで、またプロレスが好きになったということで、何もかも猪木さんに躍らされていたような気がします。
運がいい新日本プロレス
1999年の頭からドンドンお客さんが来なくなります。いろいろやってみても、ことごとくスベります。そこでかつて新日本プロレスのゲームを作ったことでど〜んと大きくなったユークスという会社が、このまま新日本プロレスを失くしてしまうのはマズいと諸悪の根源のような存在だった猪木さんから株を買い取って、猪木除去手術を施してくれたのです。
ユークスという会社が上場企業だったので、その影響で新日本プロレスがプロレス団体からプロレス企業に変化しました。やっと普通の会社になったのです。
ユークスさんはお金は出すけど口は出さないという方針で、黙ってお金だけ出してくれていたようなのですが、それでもお客さんがなかなか増えないのです。だんだんユークスで働く人たちから、儲からぬ事業に僕たちが生み出した利益を注ぎ込むのはいかがなものか、という不満が出てきたのです。
もうアカンな〜と思っていたところ、ご存知ブシロードという会社が、やはりユークスさんと同じように新日本プロレスをこのまま失くしてしまうのはマズいと手を差し伸べてくれたのです。
ユークスさんはこんなキャラクターやストーリーがあるので、面白いゲームを作ってくださいと言われると面白いゲームを作れる会社なのだそうですが、自分の会社でキャラクターを作って、それで商品を作ったり、ストーリーを作って生み出したキャラクターを動かしたり、というようなことはしていないので、口を出したくても出せないという感じだったみたいです。
ところがブシロードさんは、そういうことをしっかりやってきて、大きくなった会社ですから、会社として普通になったのであれば、あとはガンガン売り込んでいったら良いだけで、それはウチは得意ですってことで、ユークスさんから新日本プロレスを引き継いだのです。
ブシロードさんが引き継いだ当時は、まだビッグマッチは東京ドームと夏のG1くらいしかなかったそうで、それをど〜んと宣伝しようやないか、となったのだそうです。
お正月とお盆の時期というのは、都会に人がいないので電車の広告料が安くなるんだそうです。たまたま新日本プロレスのビッグマッチが盆と正月だったので、比較的お安く効果的な宣伝が打てたというのです。実に運が良い。
そしてさらに当時の社長であった菅林直樹さんも名前こそ知っていたけど、その後の活躍までは全く予想していなかったというし、ブシロードの社長である木谷高明さんに至ってはその存在すら知らなかったという男が、現れます。
それがオカダ・カズチカ選手です。
僕もまたオカダ・カズチカ選手を観たことにより、プロレスを再び観るようになったのですが、たまたまブシロードさんがど〜んと売り出すぞ〜というタイミングでたまたまオカダ・カズチカ選手が海外から帰ってきて、いきなり光り輝いたおかげでその宣伝の効果が爆発したのです。これまた運が良い。
ノッてる会社って運も引き寄せるんですね。
飯伏さんはこの夏
さて、本の最後にこれからの新日本を背負って立つ選手として棚橋弘至選手、中邑真輔選手、オカダ・カズチカ選手そして飯伏幸太選手についてページが割かれています。
しかし、この本が出てすぐでしょうか、中邑選手はWWEに移籍し、飯伏選手は新日本をやめてフリーになります。
ただ、その代りにすぐ内藤哲也選手が出てきたんですが、やっぱりこれを読みますと、飯伏選手にも活躍を期待したくなります。また新日本プロレスのレスラーになってくれればチャンピオンになってもらいやすくなるんですが・・・。
僕の予想では今年のG1はEVIL選手なのですが、
準優勝は飯伏選手なので、活躍を期待しているには違いありません。飯伏選手がしっかり活躍してくれることで新日本プロレスはさらに盛り上がりを見せるはずです。この夏の大ブレイクを期待しましょう。
長々と書いてきましたが最後にある方のこの本のレビューが大変優れていたのでご紹介します。
アントニオ猪木をはじめ、プロレスラーのほとんどが、プロレスファンのほとんどが、同じようなことをもやもやと頭の中に描いてきた、この40年、いや50年ほど。
しかしようやく、棚橋選手と著者の長谷川博一氏によって、そのもやもやが晴れました。少なくとも自分は。
ワクワクさせる書き出しです。なるほどな〜となりますので、一度読んでみてください。
素晴らしい本でした。
それではまた。
ありがとう!