元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回は『最強レスラー数珠つなぎ』の読書感想文は、
8人目の田中将斗編の感想でございます。
僕はFMWを3回くらいライブで観てまして、割と好きだったんですが、それはプロレスを観に行っている感覚ではなく、いい大人が真剣にアホなことをやっている様を笑いに行っていただけでした。プロレスみたいに熱くなって感動するってなことはありませんでした。
当時のFMWでは、普通のプロレスの試合も何試合かあったのですが、ヤングライオンよりもレベルの低いプロレスを観せられて、辟易してました。はよ、有刺鉄線もってこいや!って思ってました。
まともなプロレスでは新日・全日に全然敵わないので、爆発させて、血を流して、水拭いて、泣いて見せてるんだな〜という認識でした。
「涙のカリスマ」と呼ばれていた大仁田厚さんにも、1ミリも心が動きませんでした。むしろ、ケガでプロレス出来なくなって引退したのに、プロレスもどきをやってプロレスの地位を落とす奴と認識していて、嫌いでした。
そこで普通にプロレスしていたであろう田中選手のこともきっと観たことがあるはずなんですが、何の記憶もありません。
僕がプロレスから離れていた10年の間に、田中選手は新日で活躍なさっていたようですが、再び新日を見出す頃にはあんまり新日に上がらなくなってしまい、ほぼ観られなくなってしまった幻の名レスラーというのが田中選手のイメージです。
この本を読んで、田中選手のレスラー間の評価が非常に高いので、こりゃZERO1も観に行かないといけないかな〜と思い始めています。
デスマッチ
基本的に僕はデスマッチは苦手です。というか、あれをプロレスと呼ぶことにそもそも抵抗があります。デスマッチはデスマッチの面白さがあることは理解しているし、デスマッチを実際に観て面白がることもできますが、プロレスのカテゴリーに入れるのは、正直イヤです。
代わりの言葉がないから、デスマッチもプロレスと呼ぶしかないので、仕方がないという感覚です。
だから、新日で長州力さんが大仁田厚さんと電流爆破マッチをやった時は、新日本プロレスが大仁田さんに負けた感覚でした。
大仁田戦がたしか長州さんの復帰戦だったでしょ?この試合が結構ウケたんでしょうね。ま、当時は僕も喜んでみてましたが、今思えばアレが後のWJに繋がる悲劇の始まりだった気がします。
その後FMWは、大仁田さんが退いて、ハヤブサ選手を中心にした団体に変わりました。ハヤブサ選手は新日や全日のリングで試合を何度も観てましたから、やっとまともなプロレス団体になったな、と思ってすごく嬉しくなったのを覚えてます。
そのちゃんとしたプロレス団体になった感じのFMWの中心選手の1人というのが、田中選手だったという認識です。
FMWだからデスマッチがなくなったわけではありませんでしたが、ハヤブサ選手やミスター雁之助選手、田中選手なんかは、本当はあんまりしたくないんだろうし、大仁田カラーを消すためにもしないほうが良いと考えてました。
実際、田中選手はデスマッチはやるけども毎日はイヤ、というスタンスでした。
それが毎日続くようだと、シャワーをするのも大変だし、布団に入るのも大変だし。それをやっている人たちはそういうところで極めているので、すごくリスペクトしています。
やってる選手をリスペクトはしているようですが、やっぱりデスマッチはあんまりしたくないようです。
僕はデスマッチとハードコアマッチの定義があまりよくわかっていなくて、「デスマッチ」という言葉には「Death」という「死」という言葉が入っているので、具合悪いとなって「ハードコア」と呼ぶようになったのかなと思ってました。
ところが田中選手によりますと、デスマッチは普段リングにないものを持ち込む試合で、ハードコアは普段リングにあるものを使う試合という明確な定義があるんだそうです。
言われてみれば確かにそうですね。
お金について
ECWで日本人唯一のヘビー級王者になった田中選手ですが、お金についてこう語っています。
やっぱりお金に繋げないとプロとしてはダメですからね。評価というのはそこに繋がってくると思います。団体によって評価の仕方や金額に違いはありますけど、その団体で評価されるためには、その団体の中で一番いいギャランティーを目指さないと。
ギャラの額が評価であると仰ってます。そして、その中で1番を目指してこそプロであると、仰っているのです。
新日本プロレスにはとてもナンバーワンのギャラを目指してリングに上っているとは思えない選手もいますが、是非ともこの田中選手の考えを噛み締めてもらいたいです。誰しも評価されたいはずですし、ギャラの額が確かにわかりやすいですよね。
一方でFMWを退団したあとに全日本プロレスとZERO-ONEから入団の話があって、全日本プロレスからZERO-ONEよりもギャラ弾むので来てくださいと言われたそうですが、田中選手は断ります。
最初に全日本に話に行ったときに上がれない状態があったし、生活の基盤を整えてくれたのはZERO-ONEだったからです。(中略)「もっと出すから」とも言われたんですけど、金額の問題ではないからと断りました。
自分が困っているときに助けてくれたからZERO-ONEに決めたという義理堅い人柄が伺えるエピソードです。
団体最高ギャラを目指しつつも、高額のギャラが提示されても義理は欠かない。ムチャクチャカッコいいじゃないですか。僕ならすぐに動いてしまいそうです。
田中選手の試合をたくさん見たわけではないですけど、そういう姿勢はリング上にも反映されているように思います。
衰え
前回の石川修司選手もそうだったんですが、田中選手もまた体力の衰えを感じないそうです。石川選手が43歳(この本に登場したときは41歳)、田中選手は46歳(この本に登場したときは44歳でした)ですよ。本人がそう思っているだけで、実際のところはどうかわかりませんが、こういう選手はきっとしぶといと思うので、2人を力ずくで乗り越えていく若い選手が出てこないとプロレス界は盛り上がらないでしょうね。
残念ながらZERO1には20代の活きの良い選手がそんなにいないそうで、自分の試合も大事ではあるけども、選手育成もしっかりしていかなくてはならないと考えておられるようです。
ZERO1の若手はヤング何っていうんでしょうかね?大谷晋二郎選手や高岩竜一選手もいるので、良い選手が育ちそうな気がします。だがしかし、この本の中で
本当は小幡(優作)とかがトップどころに行かないといけないんですけどね。
と田中選手は語っているのですが、その小幡選手は
引退してました。無念だったでしょうね。首のケガですか・・・。新日では本間朋晃選手が復帰して、髙橋ヒロム選手も復帰間近ということで、首はケガしてもいずれ復帰出来るような気でいましたが、そうは行かない場合のほうが多いのかも知れません。
田中選手の写真を見ると僕と同世代とは思えぬ引き締まった筋骨隆々な肉体をお持ちの田中選手なので、ハートもさぞ強いのかと思ったら、レスラーになったでどん底だったことは?という質問に
失恋ですね(笑)。
と答えておられました。プロレスとは全然関係ないことで大きくダメージを追っていたようです。そんな繊細な心を隠すために、きっと筋骨隆々になったんでしょうね。そのギャップに笑っちゃいました。失恋に関しては僕のほうがタフなようです。
失恋でそんなにダメージを受けるということは、その恋がいかに真剣であったかということでもあるし、あんまり女性とは縁のない人生だったんだなと思ってしまいました。そこにシンパシーを感じて、田中選手を応援したくなりました。
また新日本プロレスに上がってくれませんかね?ビッグマッチだけでも良いんで。
それではまた。
ありがとう!