元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
今回も読書感想文です。今回は7人目になる鈴木秀樹選手です。
読書
鈴木選手の名前は知っているのですが、試合はチラッと一回テレビで観たことがあるくらいで、ほぼ記憶がありません。クラシカルなレスリングをする選手だということだけは知っているという感じです。
キャッチ・アズ・キャッチ・キャン
ずっと昔からその名前は知っているけども、実際どういうものがそれなのかという説明を妻(僕の影響でプロレスファンになってしまった人)にしようと思ってもちゃんとできないのがキャッチ・アズ・キャッチ・キャン(以下CACC)です。
これを読んでもらえれば、すぐに分かるのかも知れません。いや、先に僕が読むべきだな。
ザック・セイバーJr.選手とか柴田勝頼選手もイギリス遠征から帰ってきてからCACCのテクニックを使っていましたが、つまり普段見てるプロレスと何がどう違うのかは上手く言えなかったんですが、鈴木選手の話を読むとほんのりわかったような気になってきます。
総合はいかに早く相手を倒すかというところに重きを置いているように思いますが、CACCは長い時間を想定しているレスリングなのだそうです。
それはあえて時間を引き伸ばして、お客さんに攻防を楽しんでもらうためのプロレス的な考えではなく、
1分か2分だったら、実力もあるけど運もある。だけど30分とか1時間になると、運じゃダメだ
と名レスラーであり、ウチの母親もファンだったビル・ロビンソンさんは仰っているのですが、きちんと実力・技術で相手を超えることに主眼を置いているのです。運も実力の内とも言いますけども、将棋やチェスが短時間で決着がつかないのと同じなのでしょう。
ロビンソンさんはレスリングのことを「フィジカル・チェス」と呼んでいたのは、そういうことなんだと思います。
また、パワーを全面に押し出したプロレスとも違うと、ロビンソンさんは言うのです。
レスリングは力でやるんじゃなく、スピードと技術と戦略でやるものだ
それは力が発揮できる時間はそんなに長くないからだそうです。パワーを売りにするレスラーはスタミナ切れが早い気がしますから、少し試合が長くなると持ち味が出せないイメージがあります。
つまり試合が決する終盤でグダグダになるから力にはあんまり頼っちゃダメよ、ということなのではないか、と思いました。
またスピードもいわゆるロープワークの速さとは違うんでしょうね。技に入る速さのことを言っているんだと思います。たしかにザック選手のサブミッションは素早く技に入りますもの。
CACCは力に頼らずに、技術と頭で展開するプロレスという感じでしょうか。
レスリングをするきっかけ
くしくもこちらにも同じようなインタビューが載ってました。
なんと鈴木選手は、色盲でなおかつ右目が見えないんです。それゆえに学校でやるような体育全般が苦手で、運動神経もよくないと思っていました。
ところがひょんなこと出会ったロビンソンさんもまた右目が見えなかったけど、レスリングは出来るよと仰ったので、鈴木選手もレスリングを習い始めたのです。
鈴木選手は、グレート・ムタを入り口にプロレスを好きになったのだそうですが、プロレスラーになろうとは思わず、総合格闘技に行くつもりでした。ところが、ロビンソンさんに教えてもらったCACCの技術を確認していくうちに、総合より面白くなってプロレスラーになったんです。
プロレスラーのなり方も他の多くのレスラーのようにプロレスラーに憧れてなったとは違ってて、面白いです。鈴木秀樹という人に興味が湧きまくりです。
CACCの技術に魅せられてプロになったので、プロレスラーと言うよりもプロCACC技能士とでもいうほうが的確なのかも知れません。
手の合わない試合
印象的だったのが試合観とでも言いましょうか、他のレスラーとの差別化を図る話でした。
団体に所属しないフリーのレスラーだから、自分に付加価値をつけるにはどうしたら良いのか、と考えた結果、たどり着いたのが「手の合わない試合」をするというのです。
手の合う試合ってあるじゃないですか。たぶん僕はならないんですよね。関本さんとか岡林(裕二)さんとかがやっている、ワーワーと上がっていく感じではないんです。いきなり「ワー!」となって、ハイ終わり、みたいな。ロビンソンさんの言っていたことを、再現しようと思っているんですよ。
「手の合う試合」の最たるものがリコシェ vs ウィル・オスプレイが思い浮かびました。確かに盛り上がりますね。
「手の合わない試合」をするというのは、こういう息のあったプロレスではないということなんじゃないでしょうか。お互い、どういう攻撃を仕掛けてくるのかわからない状態で、隙きがあったら決めに行くという試合ということかと思います。
お客さんは騒いでないで集中して観ないといけない試合なんじゃないでしょうか。UWF的ですね。
ロビンソンさんが現役バリバリだった頃は「手の合わない試合」のほうが多かったはずで、「手の合う試合」が全盛の今に「手の合わない試合」をやったら、どうなるのか?鈴木選手はその試合が受け入れてもらえるのなら、自分に価値はあると考えておられるみたいです。
僕自身は「手の合わない試合」をダメな試合と評価していたことがいっぱいあると思います。でも、僕の思った「手の合わない試合」というのはぎこちなく進む試合、お互いに技術が出せない試合のことです。
これは鈴木選手の言う「手の合わない試合」とはちょっと違う気がします。手が合わないことによる緊張感の高めて、相手の技術を自分の技術で対応しながら勝利を目指すような試合なんじゃないでしょうか。
オカダ・カズチカ選手なんかは相手がルチャのテクニックを披露したら、それに合わせてルチャで対抗する試合をします。手を合わせていく試合をするように思いますが、鈴木選手は相手がルチャで来ようとストロング・スタイルでこようと、全部CACCのテクニックで受け止めて、CACCのテクニックで反撃していくということなのかな、と思います。
だとしたら、それはそれで、かなりワクワクする試合になりそうな気がします。それが多くのプロレスファンの支持を集めるかどうかはわかりませんが、少なくとも僕はシビレるんじゃないかと思いました。
おいそれと鈴木選手の試合は観れませんが、フリーなので新日本プロレスからオファーがあれば観れますね。どうにかならないものでしょうか。KENTA選手なんかより面白いことになるように思うんで、ぜひ鈴木軍に入ってもらって活躍してもらいたいです。
鈴木秀樹という選手にムチャクチャ興味が湧きました。
それではまた。
ありがとう!