元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
毎度おなじみ『最強レスラー数珠つなぎ』の読書感想文です。
今回は11人目、鷹木信悟選手です。
このインタビューが面白いのは、どうも話を聞いているのがロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入する1年ほど前の2017年6月というところです。だから「ドラゴンゲートの」鷹木信悟選手にインタビューしているのです。
わずか2年ほどの間に状況はすっかり変わってしまいましたが、新日にやって来ても当時と変わらぬ想いでリングに上っていることがわかりました。
2人の師匠
ここまで10人のプロレスラーのインタビューを読んできたわけですけども、いずれもそんなに試合を観たことがない、名前だけなんとか知っているレベルの選手ばかりだったわけですが、ここに来てようやく知っていると言い切れる選手の登場です。
ですので、他の選手のときよりも遥かに頭に描きやすい内容でした。
とはいえ、ドラゴンゲート時代の鷹木選手を知らないので、鷹木選手の情報で抜けていた部分が少しだけ埋まった気がしました。
鷹木選手の右のラリアットをパンピング・ボンバー、左のラリアットを龍魂ラリアットとワールドの実況でおなじみのミラノコレクションA.T.さんが呼んでいます。
「ザ・ドラゴン」というキャッチフレーズで新日に上がることになったときに、先輩ドラゴンである藤波辰爾さんと天龍源一郎さんに挨拶に行ったなんてことも、同じくミラノさんが仰っていたので、ドラゴンなんて名乗っちゃってすみません、という感じなのかな?と思っていました。
ところがプロレスについて、天龍さんにはしっかり教えを受けておられました。
エントランスから出たら、歩き方、表情。全部、技だと思え
こちらが天龍さんからの教えなのですが、まさに今の鷹木選手を見ると、この教えがしっかり活きています。エントランスからリングに集中していることが伺えます。
プロレスラーだったら当たり前なんじゃないの?と思ったりもしますが、これをわざわざ天龍さんが言うってことは入場の時には気の抜けてる選手や、タッグの控えのときに気の抜けてる選手が結構いるということなんでしょうね。
そしてプロレスラーになる前はアニマル浜口ジムでトレーニングをしていて、そこで内藤哲也選手とお知り合いになったという話は知ってました。
当然、浜口さんからもありがたいお言葉を頂戴しておられました。
試合前に早口言葉を言え
最初「は?」って思ったんですが、理由を聞けば納得できます。なぜ早口言葉を言うかというと、頭が冴えてくるからなのです。ま、本当に冴えてくるかどうかはわかりませんが・・・。
鷹木選手が体格に恵まれてないので、頭を使って試合をしている、というようことを仰っているんですが、思えば浜口さんもレスラーとしては小柄な方でしたから、鷹木選手と同じように頭を使ってプロレスをしていたんでしょう。
つまりこれは俺達のような小兵のレスラーは頭を使ってプロレスしないと埋もれちゃうよって教えなのです。
現役当時の浜口さんを知らない人は、浜口さんが変なおじさんにしか見えてないと思うのですが、そりゃもう素晴らしいレスラーでした。
大きい人が大好きなジャイアント馬場さんが、解説で浜口さんのことをホメていたのを聞いて、スゴく嬉しかったのを今でも覚えてます。
天龍さんと浜口さんという2人の偉大なるレスラーの教えを受けて、現在、鷹木選手は凄いレスラーになったわけです。
鷹木選手が頭を使って試合をしていることがよくわかる発言があります。
プロレスってどうしても、攻めてるほうが「あいつすげーな」って思われるけど、技を食らっていても俺が中心に見えるように意識してる。
こんな事を考えて試合してりゃ、そりゃ凄い試合を連発するわな、と思わせました。常に自分が中心になるように、と考える者同士の意地のぶつかり合いを僕らは楽しませてもらっているのです。
そんな鷹木選手でも「ああ、完敗だ」と思ったのは選手がいたそうです。それがZERO1の田中将斗選手なのです。
今、鷹木選手は新日に上っていますが、鷹木選手から見て「ああ、完敗だ」と思った選手は新日にはいるのでしょうか?
判断基準は14歳の鷹木少年
今回のインタビューで面白かったのは、海外遠征をした選手はみんな海外にかぶれて帰ってくるから嫌だと答えたところです。
新日本の内藤も、メキシコから帰ってきたらスペイン語ばっかり喋ってて。俺はああいうのが嫌いでね。
そんなスペイン語に、メキシコに、かぶれている内藤選手と現在は同じユニットで闘っているというのは、個人的な感情は抜きにして、自分が新日のリングで生き抜くには内藤選手のユニットに席を置くのが一番美味しいと判断したんでしょうね。
そして、レスラーとしての判断基準は、プロレスラーを志した14歳の時の鷹木信悟少年が理想とするレスラー像に近いかどうか、というのもまた良いですね。
いつも考えてるのは、14歳の鷹木少年が「こうなるだろう」と思った夢があって、その夢を実現できているかと言ったら、まだできていないと。もっと活躍して、知名度もあってね。もっとテレビに露出したりね。もっと実力もあって、世界のどこでも通用するようなレスラーになること。
客観的に自分を見れてるところが、実に素晴らしい。これがそこらのレスラーではなかなか出来ないのです。
以前、マンガ『ONE PIECE』の原作者の尾田栄一郎さんが、少年時代の自分が今の『ONE PIECE』を読んでどう思うかが判断基準にしてるというようなことを仰ってましたが、それと同じですね。
『プロレスラー鷹木信悟』という作品もまた『ONE PIECE』のようなビッグヒットする商品になりえるということなのかも知れません。
男が男に惚れるタイプ
長渕剛さんが好きということで、言葉に男気というか、男が男に惚れるような雰囲気があります。そこかしこに熱が帯びてます。
例えばプロレスとはどういうものですか?という質問に対して、
「自分も現実と向き合って闘おう」って思えるようなね。
と答えています。試合を観ている人にエールを送っているということです。
さらにプロレスについてこうも語っています。
プロレスは、試合に負けた奴が主役になったり、負けた奴が光ったりする唯一の競技なんだよね。
ここのところは、かつて内藤選手がテレビで語った
に相通ずる所なのかも知れません。
勝ち負けにこだわった佐藤光留選手からスタートしたこのインタビューに、この考えを持ち込む選手が出てくるというのがプロレスの奥深さを感じます。
また、シューズにGNOと入っているそうです(今のコスチュームには入ってないような気がしますが・・・)が、そのGNOというのは、「義理・人情・恩返し」の頭文字を取ったものなのです。任侠映画のキャラクターですよ。
単純に鷹木選手ってカッコいいなと思ってしまいました。今後もますます応援したくなりました。NEVERのベルト、獲って欲しいです。
それではまた。
ありがとう!