元気ですか〜?!
どうも、ろけねおです。
プロレスに関することだったらスルスルと読めてしまいます。
1時間ほどで読み切れました。
純度100% 有田哲平のプロレス哲学
有田さんはおしゃべりが上手な人であって、同じ内容を文章にしてもそれほど面白くないです。
この中には『オマエ有田だろ!!』や『有田プロレスインターナショナル』などですでに使われたネタもありました。
知っていた話というのもあるんでしょうけども、プロリスナーである福田充徳さんが面白くしてるんだなと認識できます。
また、単にお名前が「哲平」さんだから、タイトルに「哲学」と使っただけなのかも知れませんが、哲学という言葉を聞いてボクが勝手に想像したほどのプロレスに関する深い考察はありません。
哲学 – コトバンク
世界や人生の究極の根本原理を客観的・理性的に追求する学問。とらわれない目で事物を広く深く見るとともに、それを自己自身の問題として究極まで求めようとするもの。
『オマエ有田だろ!!』の面白さを期待して、この本を読むとあれ?となります。
1つテーマをインタビュー形式にしたほうがもうちょっと面白くなったんじゃないかと思いました。
それでは印象に残ったことを振り返ってまいります。
暴動=炎上
ボク的には前半の第1〜2章は退屈で、読むのやめようかな、と思ったぐらいです。
第3章以降がちょっとだけ面白くなりました。
昭和にあった暴動騒ぎを団体側がビビりすぎているんじゃないかという提言をされている部分が出てきます。
蔵前国技館とか大阪城ホールに火をつけられてエラいことになったんですが、それ自体は犯罪なんでダメだけどああなってしまうぐらいの熱狂をプロレスに戻さないとダメなんじゃないかということなんです。
しかしながら、この中でも取り上げられているKENTA選手による東京ドームでの「デ・ハポン」締め妨害事件は、Twitterで大炎上してました。
ドームに火はつけられてませんが、大炎上でした。
これぞ現代の暴動ではないかとボクは思ったんですがね。
あの時、内藤哲也選手およびL.I.J.(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)が本気で大好きな人がこんなにいたんだと驚きました。
本気になって怒り出す人がこんなにいたんだ、と驚きました。
若い人がそうなるのはわからなくもないんですが、ボクと対して違わない、いい大人までメチャクチャ怒ってましたね。
L.I.J.のファンのあまりのピュアさに驚きました。
ただ運悪く、あのあとコロナ禍となり声を出せない状況になりまして、未だドームで「デ・ハポン」締めが出来てないんですよね。
コロナじゃなかったらとっくにこの時のフラストレーションを解消していたと思うんですけどね。
だから今のプロレスファンだって熱狂してるんです。
デスマッチの在り方
有田さんはボクと同じでデスマッチが苦手なようです。
ボクはずっと単純にプロレスラーとしての技術がなくても出来るようなことをプロレスと呼ぶのがしんどいから苦手だったのですが、有田さんはちょっと違ってまして、確かにそういう考えもあったかも、と気付かされました。
それは今のデスマッチというのは、凶器であったり、リングに設置されたデスマッチ装置?であったりを使うのが前提でしょ?
そこに疑問を呈しておられます。
爆発したり、なんか刺したりしないとお客さんの気が収まらないから仕方がないんですけど、本来は本当に爆発したらどエラいことになるので、ギリギリのところで回避するからドキドキする、だから楽しいというのが本来デスマッチの構造だったのではないか?と書いておられます。
本来の形は確かにプロレスの体裁を保って入るように思いますし、それならボクも今ほど興味がないとはならなかったかな、と思いました。
初の有刺鉄線電流爆破デスマッチの大仁田厚 vs ターザン後藤だって、有刺鉄線で囲まれたリングというのは、あくまでリング内で決着つけるために外に出られないようにという仕掛けで、マジで爆発なんかしないだろうと、多くのお客さんは高をくくっていたはずです。
それが本当に爆発しちゃったから、有刺鉄線で体中が切り刻まれたから、ビックリしたわけです。
今はもっと過激なデスマッチもやっているっぽいんですが、あのときの興奮は超えられていないんじゃないでしょうか。
今は別方向の興奮になってしまっている気がします。
スプラッター映画が好きな人が興奮するようなもので、ボクはこれをプロレスの範疇に入れるのには違和感があります。
ボクはそもそもホラー映画全般が駄目なタイプなので、それを観て楽しいという人の気持ちがさっぱりわからないんで余計にそう思うんですけどね。
本来の形に戻す団体が現れたら興味が湧くかも知れないとは思いますが、現在のデスマッチファンからしたら物足りないので、お客さんが集まらないでしょう。
だから、もうボクは今後デスマッチに興味がわかないでしょう。
大量離脱は計画的にやればいい
昔は定期的に大量離脱が発生して、夢のカードが実現していたという話が出てきます。
マンネリ化したカードももう観られないんだと思っていた状況から一転して実現となるとかつての興奮を遥かに上回るものになるので、定期的に大量離脱をして欲しいということでした。
確かにボクもこの大量離脱によって興奮を煽られた昭和のプロレスファンなのでこの話はしっくり来ました。
最近で言えば、鈴木軍の皆さんがしばらくNOAHに行ってて、新日の選手としばらく絡まない期間があって、久しぶりに絡んだら楽しさ倍増なんてことがありましたね。
ああいうのを団体間でちゃんと協定を結んで、ユニットを定期的に動かしたら良いんじゃないでしょうか。
ボクは新日以外の団体のユニット事情はあまり知らないんですが、新日のユニットももう今の形になってずいぶん経ってまして、マンネリ化してます。
普通は再編成ということになるんでしょうけども、たとえばCHAOSの皆さんをまるごとDDTにレンタルして、DDTからとあるユニットを全日にレンタルして、全日からとあるユニットを新日レンタルするというような三社間でユニットを回すことで、新たな刺激が生まれます。
技術交流も生まれて、プロレス界全体のレベルアップにもつながるんじゃないでしょうかね。
もちろん、どこの団体にも「本隊」と呼ばれるようなその団体の正規軍は移動なしです。
迎え撃つ立場ですし。
団体間でいがみ合うよりも協力してプロレス界自体を盛り上げる方向に行けばいいのに、と本気で思います。
大量離脱のように団体をやめるわけではないので、もう観られないカードということではなく、しばらく観られないカードで少々興奮度は落ちるでしょうけども、移動先の他団体の選手との絡みは新鮮ですし、そこで新たな魅力が生まれたりしたら、もとの団体に戻ってきた時には、それまでとは違う絡み方ができるでしょうし。
でも、よく考えると新日は日本とアメリカでそれぞれ1つずつ団体を持っている感じですから、この団体間でのユニット移動をやれば良いし、DDTも同じグループのDDTとNOAHとガンバレ☆プロレスの3団体でユニット移動をやれば良いわけですね。
当然、すでにそんなことぐらいは考えているとは思いますが、常に刺激的であって欲しいです。
最初に書いた通り、有田さんは喋りのプロというのがよく分かる内容ですので、この本がヒットしたらまた新たな有田さんのプロレス関連本が出るかも知れませんが、次は買う必要はないかな〜と思いました。
ボクとお同じような感想を持つ人がたくさんいたら、すぐにでも古本市場にこの本が大量に出回ると思いますので、気になる方はそれを待って購入するのも良いかも知れません。
それではまた。
ありがとう!