元気ですか〜?!
どうも、ろけねおです。
更新が遅れてしまいました。すみません。
先日、船木誠勝選手のユーチューブを観てました。
船木さんがグレート・ムタ選手の話をしている動画です。
グレート・ムタ選手の話も面白いし、息子さんとのやり取りも面白いのですが、気になったのは毒霧の話。
とにかく船木さん曰く、毒霧は臭い、と。
それにコスチュームに着いたら取れないし、顔についても取れにくいと、とにかく大変だということをおっしゃっているんですね。
船木選手自身はグレート・ムタとの対戦は、あるにはあるが絡んでないので、ムタ選手の毒霧をもらったことはないのだけど、TAJIRI選手の毒霧なら食らったことがあるということで、やたら臭いのはTAJIRI選手の毒霧なんじゃないかと思えてきたわけです。
どれほど臭いのか、気になりましてTAJIRI選手を観たいな〜と思ったら都合よくありました。
2009年の8月13日、G1クライマックスでの試合でございます。
シチュエーションがわかりませんでした
これまでに過去の試合を観る時には、そのカードがどういう経緯で組まれたのか、そのシチュエーションを実況アナや解説陣の言葉から汲み取ろうとしましたが、今回はさっぱりでした。
このとき、棚橋選手はIWGPヘビー級チャンピオンであったということは間違いありません。
試合前に今では珍しい?花束嬢がいまして、両者に花束を渡すわけですが、TAJIRI選手はその花束をなぜか解説席に座っていた山崎一夫さんに投げつけました。
もう引退なさっている人を挑発して何になるのか。
目の前には団体最高峰のベルトを巻いてるチャンピオンがいるのにさっそく無視をするという失礼極まりない行為で、お客さんのヒートを買おうとしたのかな?
すると山崎さんが即座にキレてリングイン。
画質が悪くてわかりにくいんですが、奥でどうしたら良いのか困っている棚橋選手がいます。
すると当然山崎コールが少しだけ起こります。ここでグチャグチャになんのかなと思ったのですが、特に何もなく山崎さんは解説に戻ります。
実況アナは自分に向かって投げた花束が偶然に山崎さんに当たってしまったと宣います。そんなこと言ったら、山崎さんのキレ芸がアホになるじゃないか。
このときの山崎さんは新日の道場でコーチをしていたとのことですから、バリバリのショーマンスタイルをやってきた元スーパースターが、ストロングスタイルにケンカを売ったことを表現するために山崎さんを狙って花束を投げたんでしょう。
だから、このアナウンサーは大嫌いです。未だに時々実況をおやりになりますけど、早いとこクビにして欲しいです。
味付けを間違えた試合
結局試合はそんなに面白い試合ではないのですが、その原因は選手にはあんまりないかな〜という気がしました。いや、ないこともないかな。
この試合をどう定義するのか。どんな味付けの試合にするのか。
それを間違えたままで、終わってしまったということが最大の失敗だったのではないかと思います。
外敵を迎えた時の新日本というのがいちばん輝くわけです。
ボクが夢中になっていた時代では、誠心会館との抗争とかWARとの団体対抗戦とか、最も有名なところはUWFインターナショナルとの対抗戦ですかね。
当然、お客さんの大半は新日ファンですから、新日のレスラーが外敵のレスラーをねじ伏せるところを観たいわけです。
で、TAJIRI選手は大日本プロレスというインディー団体、かつて新日本が、長州力が、嫌っていたところの出身で、元WWEのスーパースターというストロングスタイルとは対極なのかそうじゃないのかわからないけど、相容れない間柄のスタイルの団体で活躍した選手ですから、新日ファンとしてはTAJIRI選手を力でねじ伏せてほしいわけです。
わかりやすいベビーフェイス vs ヒールの図式なのですが、このベビー vs ヒールというシチュエーションの捉え方がズレているように見えたのです。
TAJIRI選手は外敵とか他団体の選手という雰囲気ではなく、外国のリングにおけるジャパニーズなヒールを演じているように見えました。
それこそグレート・ムタ選手のような動きをし、ニヤニヤした表情作り、反則を絡め、毒霧を吹き、空手を彷彿とさせる蹴りで試合を組み立てていました。
たしかにこれもヘビー vs ヒールなんですが、そういうアメリカンな感じではなく、悪いことをしなくても、ニヤニヤしなくても、反則をしなくてもブーイングが飛んでくるシチュエーションをお客さんは望んでいたんじゃないでしょうか。
そして、中盤あたりで突然棚橋選手が流血します。
TAJIRI選手の鉄柱攻撃を受けた後に、倒れた棚橋選手に、不自然に平澤光秀選手が近づいて、次に棚橋選手が起き上がったら流血してました。
きっとこんな演出も求めてなかったと思います。
ここまでTAJIRI選手はこういうヒールな闘い方をしていたようですが、棚橋選手相手ならストロングスタイルで勝負してくれるんじゃないかとお客さんは期待していたのではないでしょうか。
かつてスーパージュニアだったかな?に出て、大谷晋二郎選手なんかとレスリング対決を見せて、デスマッチ団体だと思っていた大日本の選手にこんなにちゃんとしたプロレスができる選手がいることに驚いたものです。
8月13日というとおそらくG1も終盤でしょう。そろそろレスリングテクニックを見せてくれるんじゃないか、とそういう試合を期待していたと思います。
序盤はそういう試合になりそうな雰囲気だったんです。
棚橋選手がストロングスタイルを表現する時に用いるのは、
しつこいヘッドロックですね。さっそくガッチリ締め上げました。
それに応えてTAJIRI選手もレスリング勝負を見せてくれましたが、途中の不自然な流血あたりから田尻義博からTAJIRIに戻ってしまいました。
いや〜ホントにもったいない。
なんでこの味付けに変えちゃったのかな〜と。序盤のままに進めて欲しかったです。
ボクが単にそういう試合を観たかっただけで、もしかしたら当時のお客さんのニーズには答えていたのかも知れませんが、それならもうちょっと盛り上がっても良いのに、と思いました。
ヘタクソな棚橋
問題はわかりやすいシチュエーションにありながら、棚橋選手はベビーフェイスをきちんとやり遂げることが出来なかったところです。
11年も前の試合ですから、棚橋選手のロープワークなんか実に軽やかです。全盛期と言って良いんじゃないでしょうか。
それなのに技の組み立てや技そのものがやや雑なんですね。
TAJIRI選手の組み立てや技が実に丁寧で的確だから余計に雑に見えてしまうんでしょうね。
上手い棚橋選手をずっと観ていたからでしょうか、すっかり忘れてましたが、以前の棚橋選手はこんな感じだったな〜と思い出しました。
だから、ボクはプロレス観なくなったんだったな、と。
流血までさせられたんだから、怒りの反撃が楽しみになっているところで、セカンドロープに上がってからのアピール付きのサンセットフリップなんかチョイスしたらシラケるでしょ?
反撃の狼煙はドラゴンスクリューから!
ここからしつこくヒザを破壊しに行くんだろうと思ったら、グラウンドのドラゴンスクリューからのテキサスクローバーホールドで終わり。
最後まで怒りを表現しないまま毒霧吹きかけられてのバズソーキックで3カウント奪われてしまいました。チャンピオンとしては情けない内容でした。
この前、ふいにYOSHI-HASHI選手のことを今が多分全盛期でこんな感じだから、これ以上良くなることを期待するのは難しい、なんて書いてしまいましたが、棚橋選手でもこんな感じだったのだから、YOSHI-HASHI選手が急に良くなることもあるかも知れないな、と思えてきました。
それくらいこの試合の棚橋選手はヘタクソです。
最後は負けた棚橋選手に変わって、TAJIRI選手が
「愛してま〜す」をやり、なぜかエプロンに上がってTAJIRI選手に文句を言い始めた菅林会長(この時は多分社長)に
凄く臭いと噂の毒霧を吹きかけるというもので、背広組が絡むというWWEチックなエンディングにもガッカリしました。
だってG1ですよ。
こういう時代を経て、今の新日があるんだな〜と、ホントにみんな頑張ったんだな〜と、涙が出ます。
それではまた。
ありがとう!