元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
先日、ブログを更新するのをポカッと忘れてしまうほど夢中になっていたドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』をついに観終わりました。
池井戸潤さんが原作のドラマは『半沢直樹』でその素晴らしさに目覚め、
『下町ロケット』で大いに泣いて、
別バージョンの『下町ロケット』も観て泣き、
さらに『空飛ぶタイヤ』では号泣しました。
反対に『民王』で大いに笑わされ、プロレスファン心をくすぐられました。
そして、先日『陸王』が始まり、期待しながら毎週録画を開始したのです。
これだけ池井戸潤色に染まりきっているのに、『ルーズヴェルト・ゲーム』だけは観ていなかったのです。これはもう観るしかない。
逆転不可能なんじゃないの?からの逆転劇
これまでの池井戸ドラマも主人公たちはとてつもないピンチに見舞われるものです。すっかり慣れているつもりでしたが、そんなのが吹っ飛ぶほどのピンチの連続でした。
なかなかのピンチをなんとか切り抜けたと思ったら、それよりもさらにしんどいピンチに見舞われて、こんなのどうやって逆転できるの?と猛烈に不安にさせるほどの大ピンチに見舞われるのです。
このピンチの作り方が素晴らしい。ドラマの中のキャラクターはもちろんのこと、観てる僕ら全員を絶望に突き落とします。だから、そこからの大逆転劇にシビレるのです。絶望の度合いがキツければキツいほど、それをひっくり返したときのカタルシスがスゴいのです。それをまざまざと見せつけられるドラマなのです。
特に悪役の存在が素晴らしい。悪い奴らは一様にニヤニヤしているのです。この薄ら笑いが観てるだけの僕をイライラさせます。ヒールが光り輝かなければ、ドラマは盛り上がりません。
とくにイツワ電器のピッチャーの如月役の鈴木伸之くんは素晴らしかった。最後の最後まで大嫌いでした。
野球のシーンが雑
他の池井戸ドラマと違うところは、企業間での話だけではなく、会社の持ってる野球部の話と同時進行しているところです。
タイトルは「点を取られたら取り返し、8対7で決着する試合」を意味し、野球を愛した第32代アメリカ合衆国大統領のフランクリン・ルーズベルトが1937年1月に、ニューヨーク・タイムズの記者に宛てた野球記者協会から招待されたディナーを欠席することを詫びた手紙の末尾に記された「一番おもしろいゲームスコアは、8対7だ」という言葉に由来する。
というのがこのドラマのタイトルの由来です。
ゆえにドラマも点の取り合いで勝つかと思えば負けそうな感じになるシーソーゲームが続きます。
ただ、野球のシーンが結構雑でした。
そんなに野球に詳しくなくとも「さすがにこれはないんじゃないの?」と思わせるシーンが散見されました。
作中では野球のシーンはあまり書かないよう心がけたという。
原作ではあんまり野球のシーンはなかったそうなので、ドラマ独自の色を出すためにふんだんに野球のシーンを盛り込んだのでしょうが、それが仇になっちゃったかなと思わせる質でした。
本当に野球が好きな人にとっては、ちょっとイライラさせられたかも知れませんね。
泣くために観てるのだからもっと泣きたい
これまでの池井戸ドラマはいずれも、どんなにガマンしたって溢れてしまうほど、涙なしには観ていられないストーリーばかりでした。
つらくてつらくて泣いてしまうということもないことはないのですが、大半は感激の涙なのです。耐えに耐えた末に手に入れた喜びを、ドラマの中のキャラクターたちと分かち合い喜び合っての涙なのです。
ところが、凄まじいピンチを乗り越えた末の大団円ですから、もっと号泣できるんじゃないかと期待していたのですが、思っていたほどの涙は出ませんでした。
バスで移動している最中に見ていたというのも、もちろんあるんですが、たとえば『空飛ぶタイヤ』のときは会社の昼休みという公の場で観ていたわけですけども、涙を堪えることが出来ませんでしたから、同じようなことになるに違いないとタオルを準備してました。
確かに泣けました。でも、ちょっと物足りなかったです。
『下町ロケット』でも『空飛ぶタイヤ』でも主人公の会社は倒産寸前に追い込まれます。それがもう全然ダメという緊迫感があったおかげで、その後の大逆転に爽快感が生まれていたように思います。
この『ルーズヴェルト・ゲーム』でも主人公の会社は同じく倒産寸前です。でも、早々にリストラで派遣社員・社員をクビにしています。
クビになったのは極めて勤務態度の悪い社員であるというようなシーンがありましたけど、勤務態度が悪かろうがなんだろうが、やっぱりその人にも家族があるわけで、クビを通達された社員さんは明らかに僕と同じぐらいの完全なる中年でした。きっと再就職はしんどいはずです。
ここです。ここが他のドラマと大きく違うところです。
『下町ロケット』の佃製作所も『空飛ぶタイヤ』の赤松運送も、社長に愛想を尽かして辞めていった社員はいても、社長からクビを斬ることはありませんでした。クビを斬られなかった社員の中には態度の悪い人もいたでしょう。でも、社員は宝である、社員こそ会社であるということで、どんなにキツくても人員を整理することをしませんでした。
それが余計に経営者のしんどさを加速させるのです。だからこそ、観てるだけの僕は社長を応援するのです。赤松運送に至っては事件のことで社長の子供がイジメにあったりします。本当につらいんです。
普通に働いている社員や派遣社員のクビを早々に切ったのに、今や何の宣伝効果もない野球部がずっと存続して続けているということもまた、泣けない要因でしょう。これがリストラの前に野球部を廃部にして、野球部のみなさんが自腹で草野球を続けているとかなら、感動もひとしおだったかも知れません。倒産寸前とはいえまだ余裕があるんです。
いいドラマではあったのですが、期待値は上回ることはありませんでした。これまでの他のドラマとの違いを出すための効果がいずれもスベっちゃった感じでしょうか。もっと泣きたかったな〜。
とはいえ、おもしろいドラマであることには間違いないのでぜひご覧になって、なるほどと思ってもらえれば幸いです。
それではまた。
ありがとう!