全てはプロレスである!

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プロレスについての持論を展開しつつ、時々脱線するブログです。プロレスを知らない人でもわかるように心がけます。

『夜の虹を架ける』市瀬英俊 読書感想文

元気ですか〜?!

どうも、ろけねおです。

 

このところの観戦記の中でも少し触れてましたが、実はこちらの本を読んでおりました。

四天王プロレスの本です。

 

90年代の全日本プロレスのことを中心にその前後を週刊プロレスの記者の方が綴ったものです。

 

タイトルの『夜の虹を架ける』というのは、夜の虹を見た人は幸せになれるというハワイの言い伝えから来ていて、四天王の4人を4色の虹に例えて、それをリアルタイムで見られたボクらは幸せだったという意味なんだと思います。

 

本物の虹のように7色あればもっと良かったと思いました。 

ムチャクチャ読みにくい本

これまでいくつかプロレス関連の本を読んできましたけども、群を抜いて読みにくかったです。 

 

過去から未来へと話は進んでいくわけですが、話の中心となる選手変えて、同じ時間を行ったり来たりします。

 

全日の記憶が薄いので、あれこれさっき読んだ試合のことじゃないか?と思いながらも、メンバー少ないし似たようなことが起こったのかなと思ったら、やっぱり同じ試合の話で、何度もガッカリしました。

 

一回擦った話やったらサラッといけよ、と。

 

例えば三沢光晴さんの話で、次はどうなったの?そんで次は?と気持ちが盛り上がったところで川田利明さんの話に変わって時間が戻ります。

 

これが章ごとに分けてくれたら良いんですけど、そうはなってないんですね。書いている人が思い出した順に書いてるんじゃないかと。

 

かなりイライラさせられました。

 

さらに比喩表現がちょこちょこ出てくるんですが、これがボクの感覚と全然合わなくて、いちいちしっくり来なくて読むリズムが崩れます。

 

そんなしっくり来ない喩えなんかいいから事実を書け、事実を!というイライラが積み上がっていきました。

 

写真も何点か差し込まれていますが、普通文章に沿った写真が差し込まれるでしょ?

 

いついつ小橋建太さんがひどい目にあいました。その時の技はバックドロップドライバーなんて言われたんです、なんてくだりが出てきたら、普通その技もらってる小橋さんの写真が出てこないと、四天王プロレスを知らない人が読んだ時にピンとこないでしょうに。

 

でも、ないんです。

 

田上明さんの奈落喉輪落としがすごい技で、他の四天王からあの技は別格だという話のときもその写真がないんです。

 

あんなに技の名前を出しておきながら、その技の写真がぜんぜん出てこないのもかなりイライラしました。

 

そもそもこの本を書こうとしたのが四天王プロレスを知らないプロレスファンが増えてて、四天王プロレスが風化してしまうの惜しい、知らない人にこんな素晴らしいものがあったんだということを知らしめたい、と書いたと言うことなのですが、それならそこは何とか写真を載せないとダメでしょう。

 

話は進まない、比喩は気持ち悪い、写真はトンチンカン。プロレスの本なら早く読めるんですが全然進みませんでした。

マッチメイクに噛んでた週プロ

読みにくいですが、興味深いところもありました。

 

ジャイアント馬場さんと元週刊プロレスの編集長のターザン山本さんがお金をもらってSWSを叩いてたという話は知ってましたが、

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

まさか全日本プロレスのマッチメイクを決めるミーティングにまで参加していたとは知らず驚きました。 

 

そしてこの本の著者である市瀬英俊さんもそのミーティングに参加していたというんですから、困っちゃいますね。

 

だって記事を書く人間がカードを決めてるんですよ。

 

もちろん最終的にゴーを出すのは馬場さんだからカードを決めてるのは馬場さんということなんですが、こんなことしたらちゃんとした記事が書けるとは思えません。

 

なんでこのカードに決定したのかというところから考えるのがプロレスでしょう。リング上で起こったことだけを拾うのは東スポのように毎日発行される新聞に任せて、週刊誌なんだから、選手に取材して、馬場さんに取材して、事実を集めてこのカードにはこういう意味がある、というところが週プロの面白さだったような気がしていたので、大変ガッカリでした。

 

ま、妄想がキツすぎて新日から取材拒否喰らいましたが。

 

考えてみれば、あの頃の週プロの全日の試合レポートは新日の試合に比べてあんまり面白くなかったような気がします。単にボクが新日ファンということもあるでしょうけど。

 

新日の場合は週プロでまず予備知識(記者の妄想だったりもしたでしょうけど)を入れてから、それを確認する感じで試合を観て楽しんでましたが、全日は予備知識にもならない感じ(ストーリーらしいストーリーがなかったのもありますが)でしたから、サラッと読んで試合を純粋に楽しんでたという感じでしたかね。

 

それはそれで良いのか。

 

記者の妄想も憶測もないのは、書いてる記者がマッチメイクに絡んでいたからだったのか〜と、残念な気持ちになりました。

 

あの頃は週刊【全日本】プロレスだったわけです。

 

また週プロというかベースボール・マガジン社が主催したオールスター戦があったんですが、このときの全日の提供試合は、ファンの投票によって決定されたということだったんです。

 

しかし、実際の1位は発表されたランキングの2位になっていた試合だったというのもなかなかの衝撃でした。

 

そこには鶴田さんと馬場さんの名前がラインナップされていて、この時点で2人ともセミリタイヤ状態だったからファン投票の結果をひっくり返して発表して、2位だった試合が提供されたそうです。

 

ファンとの信頼関係を大事にしてるってことを何度も馬場さんの口から出てきた全日とは思えない出来事です。

 

お祭りだから、この日しか見られないものをとファンは選んだはずなのに、馬場さんはいつもの全日を提供したと。

 

ファンは馬場さんを信頼していたかも知れませんが、馬場さんはファンを信頼していなかったということです。こんなことならファン投票なんかしなきゃ良いのに。

 

馬場さんのことを本で読むとたいてい嫌いになりますが、この本でもやっぱり馬場さんを嫌いになってしまいました。

 

この辺が読むたびにカッコいいな〜と思わせてくれるアントニオ猪木さんとは正反対です。

四天王プロレスの功績?

四天王プロレスについて小橋さんが語っているのが出てきますが、それを読んでやっぱり小橋さんとは合わないな〜と思いました。

 

四天王プロレスは危険の一言で終わらせるのはおかしい、プロレスの技に危険じゃないものなんてない、というようなことをおっしゃっているのですが、だからって受け身もクソもない技をやっていいということにはならないわけです。 

 

ヤングライオンが使う技でもアクシデントが起これば大怪我することだってあるでしょう。 だから、そうならないように日々トレーニングして、体を鍛えているわけでしょ?

 

相手を真っ逆さまに落とすことをどうトレーニングして、どう体を鍛えて、ケガを防ごうとしていたかは言わないわけです。何もしてないんでしょうから言えないんでしょう。

 

頭から落とすプロレスに支持が集まったから、エスカレートしていっただけのことじゃないかと思います。

 

相手の受け身の技術を考慮してバックドロップの角度を調節していたというジャンボ鶴田さんの出身団体の選手のやることとは思えません。

 

四天王プロレスの始まりは天龍さんの天龍革命でした。風呂に浮かんだヘチマだった鶴田さんを本気にさせるために激しいプロレスにシフトしていったのが四天王に受け継がれたわけです。

 

しかし、天龍さんは頭から真っ逆さまに相手を落としたりはしてなかったんですよね。

 

「激しいプロレス」の表現の仕方が違ってきてしまったということなんです。

 

三沢さんの言葉で、四天王プロレスをやったからこそ、あそこまで行くと危険だということが認識できるようになって、頭から真っ逆さまに落とさなくても喜ばれるプロレスが再認識されるようになった、というようなのが出てきます。

 

今のプロレスがあるのは四天王がここまでやったら危ないよという線引きをしたから、そのラインをファンの人も理解できるようになったから、成り立ってるみたいことをおっしゃっているのです。

 

いやいやいやいや、違うでしょ。

 

たとえばブレーンバスター。昔、バーティカル・スープレックスって名前で垂直落下式が本来の形だったと言われています。そんな昔の試合は観たことがないので本当かどうかはわかりませんけど、小橋さんがリアル・ブレーンバスターって名前で使ってましたから、まず間違いないと思います。

 

でも、きっとその技をもらってケガした人がいたから、ブレーンバスターって名前なんだけど、後ろにパターンと倒れる技に変えたんじゃないですか?

 

受け身もクソもない落とし方したら危険だということはず〜っと昔からわかっていたことです。

 

それがリングやマットの質が良くなって、選手のダメージが軽減されたから、また頭から落としても大丈夫なんじゃない?ってなってやり始めたんじゃないんですか?

 

命がけで戦ってきたからお客さんが喜んでくれたというようなことを小橋さんはおっしゃいましたが、ボクはリングで人が死ぬかもしれないというハラハラは別に観たくないです。

 

リングに命は懸けないで欲しいです。

 

たとえば凄い高いところで仕事している人(高層ビルの窓の掃除とか)がいますが、何もいつ死んでも良いなんて思って仕事してないと思います。命を落とすことのないように安全性に細心の注意を払って仕事しているはずです。

 

命がけというとカッコいいかもしれませんけど、本当に懸けてどうする?とボクは思ってしまいました。

 

そんな四天王プロレスをボクも楽しんでいたわけですから、何を言ってるんだ小橋さんと言うのもおかしいんですんがね。すみません。

 

この本の中で、オカダ・カズチカ選手が四天王プロレスのようなことは自分はやらないとおっしゃっていたのが取り上げられてましたが、それが唯一の救いでした。

 

でも、ケニー・オメガ戦で四天王プロレスを彷彿とさせる試合をやっていたじゃないかと突っ込まれてましたがね。

 

リアルタイムで四天王プロレスを観てた者からすると、四天王プロレスはあんなもんじゃなかったし、仕掛けたのはケニー選手じゃなかったかな?と。

 

オカダ選手は受けるけどやらないってことでしょう。うん、カッコ良い。

 

やっぱり三沢さんの言う通り四天王プロレスを経たから、今安心してプロレスが観られるのかもって気もしてきました。過去最高のプロレスが観られるのは、四天王プロレスの功績でしょうか。

 

それではまた。

ありがとう!


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