元気ですか〜!?
どうも、ろけねおです。
『G1 CLIMAX 29』の優勝決定戦の感想を書きます。他の試合については、また明日アップしますので、よろしくお願いします。
勝つのは飯伏であることはわかっていた
Bブロックの最終戦、内藤哲也選手が負けてしまったことが吹き飛ぶインパクトだった、ジェイ選手による飯伏殴打事件。あの行為に一部のプロレスファンはアレルギー反応を起こしているようでした。
しかし、僕はそれを完璧な仕事っぷりだと賞賛しました。
かつて内藤選手が新日本プロレスは俺だと言ってをブーイングを浴びたり、歓声をもらったりしましたが、8.11の主役は完全にジェイ選手でした。
これでもしもジェイ選手が勝つようなことがあったら、史上最悪のバッドエンディングになります。ケガしてる足を滅多打ちにされた次の日に、やっぱり足を狙われて負けるって、それは普通のスポーツじゃない。そんなの面白くもなんともありません。
普通で良いなら、そもそもプロレスを観ませんよ。
ここはどう考えても飯伏選手が優勝するシチュエーションだったわけです。となると、飯伏選手がどういう道程を経て優勝という頂上にたどり着くのか。僕はその一点だけを注目して観ていました。
できれば、天才ジェイ選手にお任せにするのではなく、飯伏選手によって試合を描いて欲しいと願っていました。
しかしながら、その期待には応えてくれませんでした。これからこういう大舞台を何度も経験することで変わっていくのかも知れませんが、現時点では棚橋弘至選手に勝ち、エースの座を引き継いだことによる、悪いほうの影響しか出てない気がしました。
悪いほうの影響とは、飯伏選手の魅力である「狂気」であったり「荒っぽさ」が鳴りを潜めてしまったことです。試合が優等生になり過ぎたとでも言いましょうか。
棚橋選手に勝ってからというよりも、新日本プロレスに入団をしてからそういう雰囲気を感じます。
IWGPヘビー級チャンピオンになるためには入団するしかないようにも思いますが、これと引き換えに魅力を失ってしまって、やっぱりチャンピオンになることは難しくなります。
本当は「狂気」や「荒っぽさ」に変わる新たな飯伏選手の魅力が、この試合で出てこれば、それはそれで良かったんですが、残念ながらそれも感じられませんでした。
新たな魅力が出なかった原因は、ボマイェだと思ってます。やっぱり僕はボマイェの使用は止めたほうが良いと思います。
以前は、中邑真輔選手のフィニッシャーなのにつなぎに使ったら、軽く見える(実際繰り出している様を観ても他の蹴りよりも軽く見えてしまう)んで、技に対して失礼だというスタンスだったんですけど、今回は過去や思い出に縛られるのは良くないんじゃないかと思いました。

「イヤァオ!」からのボマイェは完全に中邑選手のものです。これを使うかぎり、飯伏選手は中邑選手より格下という気がします。
新日のリングでボマイェが観られるという喜び、懐かしさはあるので、新日時代の中邑選手を知っているファンは喜んでいるのかも知れませんが、団体のトップを張ろうとする人間が、他団体の選手のマネなんてしてはいけません。
飯伏選手独自の、フィニッシュへ続く布石を早く生み出してほしいし、そうなって初めてエースと名乗って良いのです。
上手さ際立つジェイ・ホワイト
負けてはしまいましたが、プロレスのあらゆる技術においては、飯伏選手よりも断然上だったジェイ選手。
僕から見れば100点満点に近いプロレスラーではあるのですが、まだ若いので伸びしろもきっとあるでしょう。
そうなると、凡人の僕には想像もつかない進化の仕方をして、今後のプロレス界を引っ張っていくことになるでしょう。存在そのものがワクワクさせます。
試合運びが完全にチャンピオンなんです。まるで飯伏選手の挑戦を受けて立っているような感じでした。
技がいちいち丁寧に確実に出していきますし、飯伏選手の流れになりそうになったら、すぐに断ち切って、左足を攻撃します。

終盤も飯伏選手が勝つと確信していたにもかかわらず、あれ?まさかジェイ選手が勝つというパターンがあり得るの?とハラハラする畳み掛けがありました。
長くプロレスを観てる(途中10年くらいお休みがありましたけど)と大体の試合展開は読めてしまいます。でも、それはつまらないということではなく、思ったとおりになっても自分の考え方は正しかったと、クイズに正解したような喜びがあるし、ハズレてもそういう展開があったか〜、やるな〜と悔しいけど嬉しいみたい感じにもなるので、いずれにしもて面白いんです。
ただ、予想通りの展開にならなかった時は、そこに僕の想像を超えた強烈なオチがなくては、なりません。この試合の場合は、ジェイ選手が普通に勝つということがオチになる可能性が高いので、それはオチとしては弱いのです。
この試合の終盤、スナップ・スリーパー・スープレックスの連発から、クロスアーム式ブラディ・サンデーと繋がれた時には、こりゃもうブレードランナーで終わりやがな、と弱いオチがやって来そうな恐怖がハラハラさせたのです。
すれたプロレスファンである僕ですら、ジェットコースターみたいに気持ちを上がったり下がったりさせるんですから、大したもんです。歳をとったこともあって、いちいち驚かなかったりするようになっちゃったんですが、ジェイ選手には翻弄されてしまいました。
年下に弄ばれる喜びを知ってしまった気がします。
飯伏選手は腹をくくった
試合後のマイクで印象的だったのは、この部分です。
これから新日本プロレスは新しい時代に進みます!
完全にリーダーとしての言葉です。

FireTVで新日本プロレスワールドを観ると
一番最初に新日本プロレスワールドのロゴとともに4人のレスラーが出てきます。
その4人とはオカダ・カズチカ選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手、そしてジェイ・ホワイト選手です。これが現時点での新日四天王でしょう。
飯伏選手がリング上であのような発言をしたことで、次期シリーズあたりから飯伏選手が4人の中に加わるはずです。もしかしたら棚橋選手が外れて、そこに飯伏選手が入るかもしれません。
あの言葉を聞いて、棚橋選手から覚悟が足りないみたいことを言われてましたが、ついに腹をくくったんだな、と思いました。
もしかしたらずっと前から本人的には覚悟をしているつもりだったのかも知れません。だけど、G1で優勝することにより責任感が生まれたんでしょう。それゆえのあの言葉だったのではないでしょうか。
僕が飯伏選手に物足らなさを感じてたのは、頼り甲斐のなさでした。内藤選手や鷹木選手と同い年なのに、オカダ選手やジェイ選手よりも年上なのに、この中だとジェイ選手よりちょっと上くらいの感じにしか見えません。
でも、この言葉からはこれからの新日は自分が引っ張っていくぞという気持ちが見えました。これできっと試合内容も誰か引っ張られて自分の良さが出る試合から、自分で自分の良さを出し、そして対戦の良さも引き出すという試合を作れる選手になるんじゃないかと期待できます。
試合自体はそんなに良い試合ってわけでもなかったですが、エンディングで明る未来のビジョンを提示されるとワクワクします。シメでワクワクさせてもらえたら、もう充分です。
ここからお正月まで、G1覇者として、ファンの査定がスタートします。多くのファンの期待に応えられる選手であるはずです。僕らファンをさらに面白い未来に引っ張っていって欲しいです。ここからが本当のスタートです。
まさに大団円。
G1に出場した全ての選手に感謝します。
本当にありがとうございました。
それではまた。
ありがとう!