元気ですか〜?!
どうも、ろけねおです。
昨日のエントリーで
これから見ますと書いていた60分フルタイムドローという結末になった潮崎豪 vs 拳王のGHCダブルタイトルマッチの感想を書きます。
改めてこのポスターを見ますと、メインに出ている赤いベルトのチャンピオンである拳王選手の扱いが悪いですね。
当初の予定とは違うカードになってしまったんでしょうかね。
フルタイムドローとわかった上で試合を観るというのは、どうにも複雑な心境です。決着がつかない試合を観るわけですから、何をモチベーションに観たら良いのかわからなくなります。
これが試合時間が長くとも決着のついた試合なら、どういう展開で決着がついたのかを追っていけば良いんですが、途中いろいろあっても決まらないと知っているので、どうにもテンションが上がりませんでした。
そんな感じで観たにもかかわらず、この試合は今後のNOAHの在り方を示す指針となる試合だったのではないかと感じました。
結果はドローでも拳王の負け
週プロで連載を持っている拳王選手ですが、一応ブログを書くネタになったりするかなと思って読んではいるんですが、良いこと言うな〜というようなことが一回もなく、なんかちっさい男やな〜と思うことが多かったです。
試合を観てみますと、ボクの嫌いな技であるフットスタンプを連発します。
また、ルックスが前髪をおろしててオッサンなのか子供なのかわからん感じも苦手です。
拳王ファンの方には申し訳ありませんが、まったく好きになれる要素のない選手でして、ゆえに拳王選手に触れることがほとんどありませんでした。
そんな感じで観始めましたので、これ以上のマイナスはないわけです。あの中嶋勝彦選手を破ってチャンピオンになっているくらいだから、良いところがあるに違いないと良いところを探そうという目で試合を観ておりました。
身体が小さいのにキックの迫力は凄かったです。サイズ的にはマスター・ワト選手と大差ないのに、迫力が雲泥の差でした。ドスンドスンと重いキックを潮崎選手にこれでもかと打ち込んでました。
ボクは格闘技をやっていないのでわかりませんけども、キックを打つのもスタミナをそこそこ消費すると思うんですが、最後までキックのスピードや見た感じの威力が衰えなかったところを見ると、スタミナもトップ選手に相応しいレベルなんだな〜と思いました。
攻撃がほぼキックオンリーで、意外性はなかったのがちょっと退屈でした。場外へのP.F.S.(パーフェクト・フット・スタンプ)が拳王選手的には大一番用の意外性を出した攻撃なのかも知れませんが、フットスタンプって自爆がない技なので場外に飛ぶのも他の飛び技に比べるとチョロい気がして、ボクには響かなかったです。
また、潮崎選手は左肩に派手にテーピングを施してました。ベルト取りに行くのなら、なぜ狙わないのか?というのも気になりました。
フットスタンプで締めるみたいなので、序盤からボディへの攻撃を集中させているというような解説がありましたが、1から弱らせるよりもすでに弱ったところを攻撃するほうが話が早いはずです。
反体制側の選手がこんな甘っちょろいことをやってしまうから、金剛や拳王には乗れないんです。
結果はドローでしたけども、ほぼ拳王選手の負けかなと思いました。
小橋8の三沢2のチャンピオン
かたや潮崎選手ですが、潮崎選手に対してもあんまり良いイメージはありませんでした。ただ、解説の人がチャンピオンとしての風格が出てきたことを2回も言ってしまうくらいの堂々とした佇まいはNOAHのトップであるという誇りを感じました。
「I am NOAH」というのが実にしっくり来ます。良いキャッチフレーズです。
拳王選手のキックに対して、チョップで返すという展開がずいしょに繰り広げられたんですが、普通よく足は腕の3倍の力があるなんて言いまして、キック1発に対して3発返さないと勘定が合わないんですが、潮崎選手のチョップなら1発に対して1発でイーブンになってました。
しかも胸板以外にもあっちこっちへチョップを打つんです。スネやモモに低空逆水平したり、フライングメイヤーから背中へ逆水平したりしました。
フライングメイヤーからのは解説の人がサッカーボールチョップと呼んでいました。グーパンチのようなテイストを感じて気に入ってしまいました。潮崎選手には今後も使って欲しいです。
いや、前から使ってたのかな?
ちょっと気になったのは、潮崎選手のテンポの悪さです。
拳王選手が攻撃を待っているところが見られまして「拳王、待っとらんとお前から行けや!」と思わせました。
潮崎選手がさっさと次の攻撃を仕掛けないとダメなんだと思うんですが、拳王選手に文句を言いたくなってしまうんです。これは拳王選手への風評被害です。
次回から遠慮せずにガンガン行ったほうが反体制側テイストがもっと出せると思います。
またキックアウトですが、3つ目が入るタイミングで肩を上げるので、レフェリーがちょっとだけキックアウトするのを待ってました。肩を上げるのもしんどいのはわかりますが「あんなもん3カウント入っとるがな!」と思わせる試合はやめてください。せっかくの王者の風格が失われます。
それから拳王選手のキック封じのためでしょう、足への攻撃をしてました。抱えて足だけをコーナーや鉄柱にぶつけるという力技とともに関節技も披露してました。
中途半端なテキサスクローバーホールドみたいなものとか、腕でやるリバースのインディアンデスロックみたいなものとか。どれもこれでギブアップは取れないだろうな〜というクオリティで、潮崎選手は間違いなく全日系の選手だなという感じがしました。
たぶん、ジャイアント馬場さんの教えだったと思うんですが、後ろのお客さんが何をやっているのかわかりにくい寝技や関節技は使っちゃいけないというのが全日にはあったように思います。
なので、昔からジャンボ鶴田さんにしろ、天龍源一郎さんにしろ、キチンと極めずに大きい身体を相手の上に乗ってスタミナを奪うためにやっているというイメージです。
ただし立ったまま極めることが出来るコブラツイストや卍固めはフィニッシュに使ってもオーケーって感じでした。
潮崎選手の関節技にはそんな全日の香りがしました。
また潮崎選手の真っ白い体にも全日の香りがします。新日系はしっかりウエイトトレーニングして筋肉を隆起させ、日焼けしてカッコ良く見せようとしますが、全日系の選手はそんなことしませんでした。
王道プロレスの正当な継承者なんだなと思わせました。
昔はそういう全日的なものが嫌いだったんですが、今はそれはそれ、これはこれと楽しめるようになりました。でも、ちょっと気になります。ボクはサブミッションが好きなので。
ボクは小橋建太さんが嫌いでした。四天王で唯一嫌いなレスラーでした。
潮崎選手の師匠ということで、潮崎選手には小橋選手の香りがする動きをいっぱいあります。でも、潮崎選手には小橋さんに感じてた嫌な感じがしません。なぜでしょう?わかりませんが、全然嫌じゃなかったですり
小橋さんは暑苦しく押し付けがましく感じていたんですがね。
また潮崎選手からは三沢光晴さん的なものも少し見えます。色白のぽっちゃりボディもそうですが、もうダメかもしれないという攻撃を受けながらもゾンビのように立ち上がってくるタフネスぶりに感じました。
小橋8の三沢2のブレンドが潮崎選手だと思いました。まさに。これぞNOAH。「I am NOAH」と名乗るに相応しいです。
今後も潮崎選手の防衛ロードを観たいな〜と思いました。絶対王者になって欲しいです。
四天王プロレスの向こう側へ
Twitterを見てますと、この試合を四天王プロレスだと呼ぶ方がおられたようですね。
ボクは四天王プロレスが先に進んだように思いました。
例えば打撃。顔や喉への攻撃はほとんどありませんでした。四天王プロレスは顔面への攻撃がえらく多かったように記憶してます。拳王選手のハイキックが側頭部に当たることがありましたが、その他はほぼ首から下でした。
四天王プロレスでキックと言えば川田利明さんですけども、顔面を蹴ることを毎試合やっていた印象です。チョップやエルボーも顔面に入れることは日常茶飯事でした。
四天王はケガしたって、試合には出るんだから構わないという姿勢だったように見えました。しかし、この試合はケガをさせずにレスラーの凄みをしっかりと出していくということをやっていたと思います。
四天王プロレスの反省が活きているように思いました。
投げ技にしても脳天から真逆に落とすようなことは一切ありませんでしたし、花道から投げにしても小橋さんのようにスープレックスではなく、ブレーンバスターをチョイスしたのも四天王プロレスでの反省活かしたからだと思います。
その上でお互いの体力を極限まで削り合うような、四天王プロレスの激しさや厳しさをキープした内容にしたわけですから、四天王プロレスの向こう側に行ったのです。
そして60分フルタイムドローというのも、そもそもロングマッチは四天王時代の全日のお家芸みたいなものでしたから、現在のNOAHはその時にも勝るとも劣らないと示したんだと思います。
今後もボクは新日派ですけども、やっとNOAHが新日に対抗し得る団体になってきたと感じました。90年代に闘魂三銃士を観ても、四天王を観ても、どっちも面白いという贅沢な時代にやっと戻りつつあると感じました。
しかもどっちも進化しているのですから、たまりません。
ここまでそんなにNOAHに興味が湧いてませんでしたが、この試合を観てずいぶん認識が変わりました。次回は出来ればリアルタイムで観たいです。
それではまた。
ありがとう!