元気ですか〜?!
どうも、ろけねおです。
やっぱり今回は中西学選手の引退試合を振り返らずにはおれません。
これまで何度か引退試合を観てますが、今まで一番いい引退試合でした。
試合自体も楽しかったし、その後のセレモニーも笑わせてもらったり、泣かされたり、こんなに温かい気持ちになったことはありません。
中西学のほとんどを知らない
実は中西選手には何の思い入れもありませんでした。
何度も書いてますとおり、ボクは約10年ほどプロレスを全く観ていない期間がありました。そして、この10年の間に活躍していたのが第3世代の選手なのです。
第3世代がリングの中心になったことに嫌気が差してプロレスを観なくなってしまったと言っても過言ではないのです。
再びプロレスを観るようになって、再び観た第3世代はやっぱり好きになれませんでした。特に天山広吉選手と中西学選手の動けなさには愕然としました。
こんな状態なのに、まだプロレスをやってるなんて・・・。そんなんだからプロレスが舐められるんだと、せっかく新世代がプロレスを盛り上げようとしてるのに邪魔しやがってと、一層嫌いになりました。
ところがしばらくして、こんなに動けないのがどちらも大ケガをしたからだと知ってちょっと見る目が変わりました。
特に中西選手に関しては、そのリハビリをしている姿を動画を見てからは応援したくなりました。たぶん、このブログでも中西選手をディスることが極端に減ったと思います。
引退にあたって、Wikipediaで中西選手のことを読みました。ここに書かれていることがどの程度事実なのかは知りませんが、驚くほど中西選手のことを知りませんでした。
ああ、こんなことがあったのか、あんなことがあったのか、と。
ケガのこともハヤブサ選手、高山善廣選手、本間朋晃選手と同じケガであることすら知らなかったので、
選手生命に関わる程の大ケガであったにもかかわらず、またプロレスに復帰しただけでも凄いことなのに、その程度しか動けないならプロレスなんて辞めてしまえと思っていた自分を恥じました。
ある程度中西選手のことを知った上で観た引退試合で、こんなに感動したのだから、ずっと中西選手のことを観てきたファンはどれほどの感動があったのだろう、と考えると更に泣けてきてしまいました。
やっぱりプロレスは観続けることで大きな感動を得られるものなんですね。
フィニッシャー4連発で散る
さて試合の感想ですが、試合前に中西選手が面白い試合にしたいと意気込みを語っていましたが、まさしくその通りの試合になりました。
あんなにお客さんのことを視野に入れて試合なさっているとは思ってませんでした。またしても侮ってました。ごめんなさい。
全員が全員この試合をなんとしても面白くしようという気持ちが働いていたので、当然面白くなったという気もします。
実況の話によりますと、オカダ・カズチカ選手が第3世代の中で唯一シングルマッチをしていないのが中西選手なのだそうで、ここぞとばかり積極的に中西選手に絡んでいっているのが印象的でした。いきなりアルゼンチン・バックブリーカーを狙ったりしてましたね。
それに触発されてか、中西選手も大爆発。特にコーナー最上段からのクロスボディは本当に見事でした。
永田裕志選手の表情がその凄さを物語っています。
かつて棚橋弘至選手からIWGPヘビー級を奪った特大☆中西ジャーマンという技も狙いましたが、これは流石に出せませんでしたが、観たことがなかったのでちょっと観たかったですね。
そして、この試合の素晴らしさはフィニッシュシーンでした。相手になった後藤洋央紀選手、飯伏幸太選手、オカダ選手、棚橋選手が次々に自分のフィニッシャーを中西選手に食らわせていったのです。
飯伏選手のカミゴェ、後藤選手のGTRと来て、
オカダ選手のレインメーカー、締めは棚橋選手のハイフライフローという豪華な4連発。
いかなる選手であってもこんな4連発をもらったらキックアウト出来るわけがありません。そもそもどれも一発もらったら普通は終わるのに、4発ももらったわけです。
プロレスラーとしては100点満点の負けっぷりでした。
プロレスラーと一般人で何が一番違うかというと、それは強靭な肉体でしょう。ちょっとやそっとの攻撃ではびくともしない頑丈さこそプロレスラーの象徴です。中西選手はそれを見事に最後の試合で体現したのです。これ以上ないプロレスラーの引退試合でした。
本当にカッコ良かったです。
長州力の歯がゆさ
ボク的に楽しかったのは、解説に長州力さんがやってきたことです。
実況がテレ朝の人でガッカリしました(実況ではレインメーカーをラリアットと実況しててだいぶイラつきました)が、長州さんが来てくれて少し気持ちを持ち直しました。
どんなことを話すのだろうと、ワクワクしながら聞いていたのですが、最後の試合でありながらも中西選手に対してダメ出しをしていたのが実に良かったです。特にこの言葉が良かったです。
「リングの中の表現が優しすぎた」
入門したときにはすでに体ができあがってとおっしゃっていたし、ルックスも良いし、オリンピックにまで出たわけですから、技術だってある。これでスターにならないはずはないと絶対の自信を長州さんは持っていたはずです。
しかし、実際は長州さんが期待したほどの活躍はできませんでした。
IWGPヘビーも巻いたし、IWGPタッグも巻いたし、G1にも優勝していますから、一見すると申し分ない実績だとは思いますが、たぶん長州さんが思い描いたほどではなかったんでしょうね。
その後、よく頑張りましたとストレートに褒めつつも、歯がゆいという言葉も出てきました。きっと中西選手が昔からしっかり練習していることも知っておられるんでしょうね。
思えば、ボクも中西選手のデビューしたときのことも覚えてますけど、本当にすごい選手が出てきたな〜とワクワク感がすごかったものです。
同時期に中西選手と同じ専修大学のレスリング部だった秋山準選手が全日本プロレスでデビューしました。でも、中西選手はオリンピックにまで出てるんだから、秋山選手とはレベルが違うし、何しろ新日の道場で育てられるんだから、絶対中西選手のほうが大成すると思っていました。
ところが秋山選手はあっという間に全日四天王と肩を並べ、5強と呼ばれるまでになっていたのに、中西選手はなかなか闘魂三銃士に追いつきませんでした。
※実際は’99年にG1の決勝で武藤敬司選手を倒してますが、秋山選手が三沢光晴選手に勝ったのはNOAHのリングで、それは2000年のことでしたから、上の世代を先に倒したのは中西選手だったのに、秋山選手よりも劣っているような印象でした。
そして、この辺からボクはプロレスに冷めてしまったので、それ以上中西選手の活躍を追うことはありませんでしたが、このときにあんなに期待した中西選手が秋山選手に負けてしまったように思えてしまったのが、中西選手をこれまで軽く観ていた理由にもなっていました。
でも、真面目に練習していたのに、IWGPヘビー戴冠が2009年ですから、結構時間がかかりました。何をとってもトップレベルにありながら、ベルトを巻くのに時間がかかってしまったのは「リングの中の表現が優しすぎた」ということになるんでしょうね。
アスリートとして一流であっても表現者としてイマイチだったのです。
長州さんはナチュラルにリング上で表現することに長けていたので、しっかり練習さえすれば、長くプロレス界にいれば、自然と表現をすることも出来るようになるだろうと考えていたんでしょうし、教えようもなかったのかもしれません。
でも、それが上手く行かなかったのは、Wikipediaを読んでも伺えます。
だから長州さんが、歯がゆいというおっしゃったんでしょう。中西学はこんなもんじゃないという思いが強かったんじゃないでしょうか。
twitterでは最後まで中西選手にダメ出しをする長州さんを批難する方もおられましたが、ボクは感動しました。中西選手のことを相当高く買っていたんだな〜と嬉しくもなりました。
それにしてもパワーホールもワールドでは聞けないんですね。実に残念でした。
それではまた。
ありがとう!