元気ですか〜?!
どうも、ろけねおです。
今回も試合がありませんので過去の試合を観ての感想です。
2008年の試合を観て、2007年の試合を観て、そして今回2009年と時系列がムチャクチャなんですが、2000年代の試合を無作為に観ております。
ワールドの新着のところで、上のほうに出てきたのを選んでおります。
今回は2009年10月12日に行われたましたIWGPヘビー級選手権試合、中邑真輔 vs 大谷晋二郎です。
トップ同士の対決なのにセミ
こんなカードが組まれていたことすら知りませんでした。
結果を知らずに観ていたので、どっちが勝つんだろうとドキドキしていました。
何しろ中邑選手は仮に負けたとしても棚橋弘至選手もいるし、第3世代もこの時はまだまだ元気だったでしょうし、いくらでも取り返しに行ける状況だとは思いますが、大谷選手は社長で団体のトップですから、負けるわけには行きません。
でも、結果負けてしまいました。
ZERO1のことをよく知らないんですが、ZERO1のチャンピオンは大谷選手とは別にいるんですかね? それなら、負けてもまだ○○がいるってなるから負けても良かったのかな?
シチュエーションまではこの試合を観てる分にはわかりませんでした。
実況がまた嫌いなアナウンサーだったんですが、やたら橋本大地くんのことを喋るんですね。たしかにZERO1は橋本真也さんの作った団体だし、大地くんはそのご子息だからわからなくもないけど、このときの代表は大谷選手なのだから、そんなにそこに触れる必要はないんじゃないかと。
触れるなら橋本真也さんのことにもっと触れて欲しかったです。
ボクが破壊王の大ファンだということもあるんですが、大地くんは大地くんの人生を生きているんだから、お父さんに振り回されちゃかわいそうです。
ま、今は立派に独り立ちしてるので良いんですけどね。
トップ同士の対決にも関わらず、セミファイナルです。タイトルこそ、ダブルメインイベントってなってますけど、実質セミです。
これが蝶野正洋さんの25周年記念の大会だったから仕方がないんですが、新日の歴史を彩ってきた選手がIWGPヘビー級選手権試合を記念試合より格下にしたらダメでしょう。
なかなかチャンピオンになれなかったから恨んでるのかな?
たしかにメインのカードは豪華だとは思います。
でも、この2ヶ月後のドーム大会を最後に事実上の引退をする選手が、2020年まで現役を続けることになる選手に勝っちゃうってどうなんだろうとちょっと思っちゃいました。
蝶野さんが主役の大会なので仕方がないとも言えるんですが、このカードの扱いはちょっとガッカリでした。
大谷晋二郎はやっぱり良いレスラー
ジュニア時代の大谷選手は大好きなレスラーでしたが、ヘビー級になってからというのはほとんど観たことがありません。
中邑選手と並んでも見劣りしない体格になっていた大谷選手がどんな試合を見せてくれるのかワクワクしてました。
まず気になったのはパンツがデカいということですね。
そういう感じのパンツは全日のレスラーが履くやつじゃないのか、新日から離脱するとパンツのサイズ感も変わってしまうのかと、変なガッカリを感じてしまいました。
試合始まってすぐ、大谷選手へのブーイングが飛んでいたので、やはり外敵という扱いになっているんだな〜と思っていたのですが、最終的には大谷コールが大半をしめてまして、正々堂々と闘えばちゃんと受け入れてくれるんだなと嬉しくなりました。
大谷選手はどの技も的確でした。
ノーモーションで投げるジャーマンのスピードはジュニアの頃に比べると少し遅く感じはしましたが、ブリッジの美しさは昔と変わらなかったし、
ミサイルキックの華麗さや精度はボクの知ってる大谷晋二郎のままでした。
体重が増えても使う技、動きがほとんど変わらないというのは凄いことなんじゃないでしょうか。
ジュニアの時の技をそのまま使うのはなんとなくダメと思っていました。それは藤波辰爾選手がヘビーになったらを使用する技を少し変えたからのような気がします。
でも、藤波選手はヘビーになって腰を悪くしてスープレックス全般が使えなくなったから、ドラゴン・バックブリーカーとかドラゴンスリーパーとかを主に使うようになっただけだったな〜というのを思い出しました。
きっと藤波選手が腰を悪くしてなかったら、大谷選手みたいなレスラーになっていたのかもしれません。
顔面ウォッシュは大谷選手の試合では大定番ですが、解説の金沢さんによるとアントニオ猪木さんに否定されていた技だそうですね。知りませんでした。
会場を温める良い技だと思っていたので、猪木さんに否定されてたというのは軽くショックでした。
それでも使い続けているのは、お客さんのリアクションが良かったからなんじゃないでしょうかね。我を通したというよりお客さんが喜ぶからなら、大谷選手らしいです。
ヘビー級になってからの大谷選手のフィニッシャーはスパイラル・ボムかと思っていたので、それが比較的あっさり決まって、中邑選手がキックアウトしたのはちょっと驚きました。
この先あるの?と思いましたが、ドラゴン・スープレックスが一撃必殺という実況アナが言っていたので、それが切り札なんだなと理解しました。
中邑選手のヘッドバッドで流血して、ここから試合がさらにヒートアップしていくんだろうな〜と思っていたのですが、中邑選手はそういう熱い試合をしたがりませんでした。
マイクは良いけど試合はつまらん中邑選手
この試合がつまらんと思えた理由は完全に中邑選手にあります。
感情を抑えて試合するのがカッコいいということだったんでしょうかね。
後にクネクネしだすと感情が爆発しまくるわけですが、この時は努めてクールにクールに振る舞っているように見えるので、試合もある程度の温度まで上がったらそれ以上は上がりません。
大谷選手がクールな中邑選手に火をつけようと何度もトライするのですが全然乗らないんです。熱い試合は大谷選手のフィールドですから、それに乗っかると大谷選手が主役になってしまうということで乗らなかったのかもしれません。
それでもしっかり盛り上がったなら良いんですが、そうはならなかったので失敗でしょうね。
後に飯伏幸太選手の感情を引き出してベストバウトをやってしまう選手にまでなるとはこの時は想像もつかなかったでしょうね。
※2013年のプロレス大賞ベストバウトは中邑真輔 vs 飯伏幸太が獲りました。
また技もちょっと雑です。
基本的にキックとサブミッションだけで試合を組み立てていくので、ボク的にはそのチョイス自体がちょっとつまらないと感じてしまうんですが、そのサブミッションへの入り方、リバースパワースラム、タイガースープレックス(オースイ・スープレックスと呼ぶべきか?)なんかは最後までキチンとやらずに適当にやっている(単に大谷選手が重かったのかも知れませんが)感じがして、イヤでした。
フィニッシュはボマイェ2連発だったんですが、この入り方もとてもフィニッシャーには見えない入り方で、思えばクネクネする前の中邑選手が好きになれなかったのはこういうところだったな〜というのを思い出しました。
立場が人を成長させるという側面もありますが、とてもチャンピオンをやれる力量のあるレスラーには見えません。
ルックスが良くて、総合も行けるレスラーをチャンピオンにしたいという上層部の願望を受け止めきれないままチャンピオンされてしまった中邑選手がちょっとかわいそうにも思えました。
これを観ると、中邑選手が潰れずに才能が開花して本当に良かったなと思います。
さて、試合はイマイチだったんですが、試合後のマイクのほうは良かったと思います。
「ありがとう、大谷晋二郎。橋本真也が作った団 体を率いる大谷晋二郎。でも、橋本真也ではない。俺は、橋本真也を知らない。闘ったこともなければ、ましてや会ったこともない。でもな、橋本真也の言葉は 覚えている……。『何がアントニオ猪木じゃ!!』俺の狙いはアントニオ猪木。これ以外の何ものでもない。以上」とマイクで言い残し、退場して行った。
これを言う前に自分がチャンピオンになりたがって、そのことしか頭にないような、実に感じの悪い棚橋弘至選手にからまれて、かなり変な空気になってしまいました。
でも、ちゃんと大谷選手とZERO1のことも立てて、今後の方針も喋って、キレイに〆たマイクでした。
協力して新日をもり立てていかねばならない中邑選手と棚橋選手が、お互いがお互いのやりたいことだけを勝手にやってるという感じがして、これだけの才能あふれるレスラーが揃っていても、選手が自分勝手だと冬の時代になってしまうんだなと思わせるラストシーンでした。
中邑選手も棚橋選手も大人になって、オカダ・カズチカという若いスターが現れて、ブシロードという会社が団体運営をちゃんとするというたくさんの奇跡が重なって今の新日があることがよ〜くわかる試合でした。
まだご覧になってない方はぜひご覧ください。試合がないとはいえ、ボクらはこの時代のファンに比べて恵まれていることがよくわかります。
それではまた。
ありがとう!