全てはプロレスである!

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何でもプロレスに絡めて語る雑記ブログです。プロレスを知らない人でもわかるように心がけます。

ナチュラルに生きよう@『きいろいゾウ』西加奈子 読書感想文

今週のお題「カバンの中身」

元気ですか〜!?

どうも、ろけねおです。

 

久しぶりに西加奈子作品を読ませていただきました。

結論から言うとメチャクチャ面白かったです。

 

スゴく分厚い本で読む前から、読破はムリかもしれないと思わせる迫力があったのですが、読み出してみるとグイグイと物語に引き込まれていきまして、本の分厚さを忘れさせる勢いでした。

 

映画でも、たとえ実際の尺が長くても内容が自分にフィットしておもしろがれたら、アッという間に観終わったりしますが、そのようなものです。本の分厚さに構える必要はないのです。

結婚して良かったなと思わせる物語

声だして笑うというような面白さでなく、ジワジワ来るおもしろさ、感動がたくさんありました。

 

未婚者も既婚者も一緒になって結婚について話すことがあると、既婚者は未婚者に「君もいい年なんだから、そろそろ結婚しないとね」的なことを言い出す人が必ずいます。

 

そうすると他の既婚者たちは、「そうだ、そうだ」と同調するのものですが、僕はしません。

 

「自分が結婚しておきながらいうのもなんですけども、結婚はしてもしなくてもどっちでもいいと思う」と言います。

 

自分に子供がいないのもありますが、結婚することで何かが変わった気がしてないのでそう思っていたのです。でもこれを読んで、自分でも気づかぬうちに結婚の妙味を味わっていたのかもしれないな〜と考えさせられました。

 

この物語の主人公はムコとツマという夫婦です。

夫婦

この二人の距離感であったり、会話であったり、空気感であったりというのは夫婦でないと実感できないもののように思えました。結婚してこそわかる、恋人同士とは明らかに違う何か、それが何かと聞かれても具体的に何と答えることが出来ないのですが、とにかくその何かがそこにあって、かゆいところに手が届いているような感覚がず〜っとありました。

 

それがエラく心地良かったです。

 

結婚したからといって特に何か変わったわけではないと思っていたのは、結婚したら劇的に何かが変わるんじゃないかと期待していたからではなかったか。実は少しずつ少しずつ恋人同士から夫婦にシフトしていたことに、全く気がついてなかったのです。

 

それに気づけて、ジワジワと幸せを感じたのです。それが結婚してよかったな〜という気持ちにつながるわけですね。

田舎に暮らしてみたい

主人公は田舎に暮らしています。

 

老後に田舎暮らしを満喫するスタイルの夫婦も観ますが、

少しも憧れませんし、むしろ年を取ったらより都会で暮らしたい派です。

※ちなみにこの番組は大好きでほぼ毎週のように観ています。

 

生まれてからずっと、都会ではないけども、田舎でもないという中途半端なところに住んでまして、しっかりとした田舎に住んだことがないので田舎のことは何も知りません。だから、田舎のことを知りたいという気持ちがずっとありました。

 

これを読んで田舎で暮らすのも悪くない、いや暮らしてみたい、と思うようになりました。永住というのはさすがにムリなので、できれば年に何ヶ月かは田舎に住んで、残りを都会で住むというのがベストだな〜と、結構具体的に考えてしまいました。

 

また、主人公たちは少し古い家に住んでいます。それもまた、そういう家に住むのも良いな〜と思わせました。古民家に住んでみたいとか、平屋に住んでみたいとか、縁側がある家に住んでみたいとか、そういう気持ちはあったのですが、具体的に探したことはありませんでした。

古民家

それはどこかおとぎ話のような、現実には不便しかない暮らしになるんじゃないかと恐れていました。でも、これを読んでいると不便もまた味わいとして捉えられそうな気がしてきます。不便だからこそ楽しいと感じられるかもしれないと思えるようになりました。

 

ま、ネットさえ繋がっていれば、そんなに不便じゃないかもしれません。離島じゃなかったら。

 

実はなくてもそんなに困らないものまで今は揃っていて、それがないと困るんじゃないかという幻想を抱いているだけのような気がします。片付けが苦手で片付けの本を読んでは少し片付けて、少しスッキリした気分になるけども、また元通りにモノをあふれさせています。

 

一度、そうはカンタンにモノが手に入らない暮らしをすることで自分にとって本当に必要なものが見えてくるんじゃないでしょうか。

人間も自然の一部である

モッツァレラ・バッカ、ほうじ茶など、これに出てくる食べ物は全部おいしそうで、これに出てくるすべての動物が愛くるしい。食べ物は自分たちで作ったり、近所の人が作ったものをいただいたりして集まってきて、生き物たちは主人公たちが来る前からそこにいたいわば田舎暮らしの先輩です。

田舎の犬

僕は、草が生えてたり虫が飛んでることを普段の生活から排除しようとしてます。除草剤を散布したり、殺虫剤を噴射したりします。元からそこにあったものを力づくで自分たちの居場所に変えていくような生活をしています。

 

でも、主人公たちはそうはせずに、元からあったものの中に溶け込む生活を選んでいます。人間が生き物の頂点に君臨しているとは全然思っていないのです。普段からヒエラルキーの頂点であると意識しては暮らしていないのですが、自分のやってきたことはふんぞり返って暮らしてきたのかもしれないと思わせました。

 

虫が嫌いだから、虫と馴染む生活というのはなかなかしんどいでしょうけども、主人公たちのように暮せば、気持ちも優しくなって、穏やかにのんびりと生きていけそうな気がします。

 

自分が自然の風景の中に無理矢理押し込んで入り込んだ異物ではなく、自分もまた自然の一部であるという生き方に憧れを持ちました。

 

周りの人たちよりはずいぶんのんびりと暮らしてますけども、更にのんびり生きたいと思わせます。

最後に

前半と後半がテイストが全然違ってまして、どんどん読むのがツラくなってきます。それは知らなくてもいいことなんじゃないかということまで知ってしまいます。でも、ガマンして読んだら最後はホッとしまして、気持ちのいい読み終わりでした。あのガマンが開放感を生むのでツラくても読み進めましょう。

 

この本を読んでから映画版を観ました。

分厚い小説をギュッとしてあるのでいろいろ省略されていますが、この映像を見たおかげで、この小説に色がついた気がします。演じてる方はちょっとイメージとは違いましたけど、大きくはハズレてはいないと思いましたので、不快感はないです。

 

小説を読み、映画を観ていただくと、どっぷりこの世界に入れます。

 

オススメです。

 

それではまた。

ありがとう!